衆院・参院議事録要約

衆院・参院の議事録を要約してます。

第195回本会議第6回(2017/11/21)

井上義久公明党

  • 北朝鮮は、国際社会のたび重なる抗議や警告を無視し、相次ぐ弾道ミサイルの発射や核実験を強行しており、断じて容認できません。総理は、今月6日、トランプ米大統領との首脳会談後の共同記者会見で、対話のための対話では全く意味がない、北朝鮮から政策を変えるので話し合いたいという状況をつくっていくことが大事だと指摘されました。政府は、強固な日米同盟のもと、国際社会との連携をさらに深め、我が国が主導的役割を発揮して、国連安保理決議に基づく一連の制裁決議の完全履行を全ての国連加盟国に働きかけ、北朝鮮の政策転換を強く迫り、核、ミサイル、拉致といった問題の解決に全力を尽くすべきです。北朝鮮問題への対応について、総理の決意を伺います。
  • 安倍内閣発足から5年、これまでの経済財政政策によって、過去類を見ないほどの景気回復と雇用環境の改善が実現をしている。内需主導型の経済成長と賃金上昇による所得環境の改善が全国津々浦々で実感できることが最重要課題であるとの共通認識のもと、成長戦略を推進し、成長と分配の好循環の実現を目指してあらゆる施策を講じてきた結果。しかし、大企業を中心とする業績の回復と賃金上昇が続く一方で、地域の中小企業や、保育、介護、IT分野などでは、必要な場所に人材が不足しており、現場からは切実な声が上がっています。これまで、保育、介護人材や土木建設労働者の確保のために、処遇改善や労務単価の引き上げなど適時適切な政策を実行してきましたが、雇用・所得環境の改善や人手不足問題は、その解決に時間がかかることは否めません。成長と分配の好循環の創出について、総理の決意を伺います。
  • 総理の生産性革命と人づくり革命によって我が国の潜在力を存分に発揮することができれば、まだまだ日本は大きく発展できるチャンスが広がっていると確信します。例えば、AIやビッグデータなどに代表される情報通信技術をフル活用できる人材の育成は、そこから生まれた新しい技術によって、世界をリードする産業を育て、日本経済を底上げすることが期待されます。自動運転の早期実現のため、安全基準を策定すること、高齢運転者の交通事故防止に役立つ警報装置等の普及促進、トラックの自動隊列走行の実現による物流改革などもその典型例であり、総力を挙げて取り組むべきです。また、生産性革命には、人手不足で悩む中小企業や小規模企業を中心に、生産性を飛躍的に向上させるITツールの導入や設備投資を積極的に促すことが必要です。そのための予算や税制を早急に検討すべきです。生産性革命、人づくり革命に向けた取り組みについて、総理の答弁を求めます。
  • 国の社会保障給付費は、右肩上がりで増加。未曽有の超高齢社会を迎える2025年には150兆円に迫るという試算もあります。一方で、支え手である現役世代は減少の一途。そこで、2012年に、消費税率の引き上げを含む歳入改革と、効率的な運用による歳出の改革を同時に進めていく、いわゆる社会保障と税の一体改革について合意し、これまで工程表に沿って改革を進めてきました。社会保障制度を持続可能なものとしつつ、さらに強化するには、安定的な財源を確保する必要があります。そのために、消費税率を引き上げ、その増収分を年金、医療、介護、子育ての社会保障四分野の維持強化に充てることが一体改革のかなめです。今般、政府・与党は、この一体改革の基本を堅持しつつ、幼児教育の無償化を初めとする子育て支援や教育の充実など、現役世代が抱える不安解消に取り組むために、これまで予定していた増収分の使途を変更し、社会保障を全世代型に大きく改革することを決定しました。改めて、社会保障と税の一体改革の中で消費税の使い道を見直し、子育て世代や子供への支援を充実する意義について、総理の答弁を求めます。
  • 公明党は、社会保障の強化のみならず、消費税率の引き上げに際し、大きな痛みを実感する家計に対する視点を重視して、消費税の持つ逆進性を緩和するため、軽減税率の導入を訴え、制度実現をリードしてきました。消費税率10%への引き上げと同時に、軽減税率を円滑に確実に開始できるよう、万全の準備を進めることは、一体改革を完結させるための責任です。軽減税率の円滑な導入について、総理の答弁を求めます。
  • 公明党は、これまで一貫して教育費の負担軽減に取り組んできました。教科書無償配付もその一例です。教科書無償配付は、小学五年生の少女の切実な声がきっかけでした。彼女は、家計が苦しく教科書を購入できないことを教師に訴えたのです。その教師は、後に参議院議員となり、何はさておいても中学三年までの教科書代を無償にすべきと政府に訴えました。その結果、教科書無償配付は1963年から段階的に行われ、69年には小学校一年から中学三年生までの全児童生徒を対象に完全実施されました。公明党の「小さな声を、聴く力」が結実したあかしでもあります。さきの衆議院選で、私たち公明党は、家庭の経済的な理由にかかわらず、希望すれば誰もが教育を受けられるよう、幼児教育の無償化を初めとする教育負担の軽減を公約に掲げました。教育は、生涯にわたる人格形成の基礎を培うものであり、全ての子供に質の高い教育を受ける機会を保障することが重要だからです。特に公明党は、2006年から幼児教育の無償化を訴え続け、2012年の自公連立政権合意には段階的に進めることを盛り込み、着実に実績を積み上げてきました。一日も早く、ゼロ歳から五歳までの全ての幼児を対象とした幼児教育の無償化を実現すべきです。あわせて、保育士や幼稚園教諭等の処遇改善、働きやすい環境整備を図ることも重要です。
  • ほとんどの生徒が高校まで進学しています。ところが、公立を志願しても合格できず、やむを得ず私立に入学するケースも少なくありません。また、特色のある私立高校に学びたくても、経済的な理由から選択肢に入れられない生徒もいます。東京都がことし三月に発表した子供の生活実態調査によると、私立に在籍する高校生の保護者に私立高校を選んだ理由を聞いたところ、一般の所得世帯層では、「教育の質が高いと思った」が43.6%、「教育方針が気に入った」が37.5%。しかし、経済的困窮層では、「公立高校の入試に合格しなかった」が54.4%で最も高くなっています。高校生が安心して教育を受けられるよう、授業料に充てるための就学支援金が支給されています。公立高校は授業料の無償化が実現していますが、私立高校は、加算分を足しても授業料の平均額の40万円に遠く及んでいません。こうした公私格差是正の観点から、公明党は、年収590万円未満の世帯を対象に、私立高校授業料の実質無償化を実現すべきと訴えています。また、高校生がいる低所得世帯、多子世帯の負担軽減を図るため、授業料以外の教育費を支援する高校生等奨学給付金の制度についても、第一子の給付額を第二子以降の給付額と同額まで拡充し、低所得世帯や多子世帯の負担軽減を図るべきです。大学生については、今年度から、公明党が長年訴えてきた給付型奨学金が実現しました。今後さらに、給付額や対象枠を大胆に拡充すべきです。また、授業料減免の拡充も図り、希望すれば誰もが大学等で学べる社会を築かなければなりません。あわせて、希望する全ての学生に無利子奨学金の貸与を目指し、有利子から無利子への流れを加速させるとともに、17年度から新たに導入された、卒業後の所得に応じて奨学金の返還額が変わる所得連動返還型奨学金既卒者への適用を検討すべきです。以上、教育負担の軽減について、総理の答弁を求めます。
  • TPP11や日・EUなどの経済連携協定には、国内への影響、特に農業への影響を心配する声があります。日本の農林水産業が世界との競争の中でも生き残っていくためには、生産力の向上やブランド化を一層進めるとともに、担い手の確保や生産者が経営力を身につけるなど、現場の実態を踏まえた支援が急務です。2015年に策定した総合的なTPP関連政策大綱についても改定する必要があります。その際、今般の日・EU経済連携協定の大枠合意により新たに必要となる国内対策を盛り込むとともに、強い農林水産業の構築に向けた万全な対策を打ち出すべきです。我が国の農林水産業の持続的な発展に向けた安倍総理の決意を伺います。
  • 昨年、大手企業の女性社員が過重労働によって自殺。また、先月は、女性記者が過重労働の末、4年前に亡くなっていた事実が判明した。時間外労働に罰則つきの上限規制を設けるなど、命を守る働き方改革の実行が急務です。特に、中小企業には、多重的な下請構造や労務管理制度の未整備など、実態を踏まえた支援が求められます。大企業の働き方改革が進む中、中小企業にしわ寄せが及ばぬよう、企業間の適正な取引の徹底も不可欠です。業種によっては、発注者との関係で労働時間の短縮が難しい物流や建築業、地域医療の担い手の確保と働き方改革の両立など、それぞれの課題にきめ細かく対応する必要があります。学校教員も、勤務環境は極めて厳しい状況にあり、教職員定数の抜本的な拡充など必要。働き方改革の取り組みについて、総理の答弁を求めます。
  • 日本人の二人に一人が生涯のうちに何らかのがんになる時代を迎えています。先月24日、政府は、国の指標となる第三期がん対策推進基本計画を閣議決定しました。この基本計画では、がん予防、がん医療の充実、がんとの共生の三本柱のもと、がんの克服を目指すこととなりました。受動喫煙が原因で死亡する日本人は年間1万5千人を超えると言われ、徹底した受動喫煙防止対策が求められています。従来の健康増進法による努力義務規定を抜本的に見直し、より厳しい、実効性の高い制度を構築すべきです。
  • がん教育の普及も重要です。医師等の外部講師の活用によるがん教育の全国展開に全力を挙げて取り組むべきです。
  • がん医療の充実については、がんゲノム医療や免疫療法など、新たな治療法に期待が高まっており、がん患者一人一人に最も適したがん医療が提供できるよう、我が国のがん研究を強力に推進すべきです。
  • がんとの共生を実現するために、公明党がん対策推進本部が、2015年の提言に傷病手当金制度の見直しを盛り込み、その実現を訴えてきた結果、3月に策定された働き方改革実行計画の工程表に、2021年度までに傷病手当の支給要件等について検討、措置することと明記され、このたびの第三期基本計画にも盛り込まれました。一刻も早く、制度の使い勝手をよくすべきです。また、がんと診断されたときからの緩和ケアを充実するため、引き続き、医療者への緩和ケア研修を推進するとともに、病院の実態調査も継続すべきです。以上、がん対策の強化について、総理の答弁を求めます。
  • 公明党は、全国的な防災・減災、老朽化対策を集中的に支援する防災・減災ニューディールを提唱し、一貫してその取り組みを強力に進めてきました。国土の強靱化とともに、地域経済の活性化を促し、地方創生にも大きく貢献し得る重要な政策であると考えています。近年、我が国では自然災害が激甚化、多発化し、想定を超える被害等も各地で発生しており、国民の命を守る社会インフラの強化は待ったなしです。政府は、水防災意識社会の再構築に向けた取り組みを進めていますが、九州北部豪雨、台風二十一号等の水害、土砂災害を踏まえて、中小河川の氾濫防止や都市部における内水氾濫の対策など、全国各地のインフラ整備に加え、ソフト対策と自助を組み合わせた総合的な対策を着実に進めるべきです。地方自治体が行う対策も、防災・安全交付金を積み増しするなど、強力な支援が必要です。総理の答弁を求めます。
  • 7月の九州北部の豪雨災害で課題となった一つは、中山間地域の集落における防災対策です。高齢者も多く、孤立しやすい地域では、自助、共助の観点から、災害時要配慮者の方々が安全に避難できる避難経路と自主避難場所の事前の確保とともに、日ごろから地域住民同士の連携、確認が極めて重要です。全国各地に同様の中山間地は多く、防災・減災対策の強化は喫緊の課題です。総理の答弁を求めます。
  • 東日本大震災より6年と8カ月がたちました。被災地では、復興は着実に進んでいますが、今なお8万人の方々が避難生活をし、約4万人の方々が仮設住宅での暮らしを余儀なくされています。復興の進展に伴い、被災者、地域のニーズが多様化しています。公明党は、これからも被災者に寄り添い、お一人お一人が人間としての心の復興、人間の復興をなし遂げるまで、二つの風、すなわち風化と風評被害と闘い、復興を加速しなければならないと、決意を新たにしています。
  • 東北の地方創生、経済活性化の起爆剤こそ東北観光復興です。近年の我が国における全国的なインバウンド急増の流れを踏まえて、政府は、2016年を東北観光復興元年と銘打ち、それ以降、さまざまな取り組みを進めています。一方で、福島を初めとする東北の観光は、いまだ根強い風評被害により、依然として多くの課題が残されています。風評被害対策の強化とともに、観光先進地東北実現のための取り組みについて、石井国土交通大臣に答弁を求めます。
  • 福島再生に向けて、本年春には、帰還困難区域を除くほぼ全ての地域で避難指示が解除となりました。帰還される方は高齢者の割合が高いため、介護、福祉、医療等のきめ細かな環境整備と、担い手の確保を急がなくてはなりません。また、そこで働く担い手の人たちがやりがいを持って働き続けていけるような仕組みや環境づくりも重要です。福島の避難解除に伴う介護、福祉等を含めた生活環境整備や担い手確保について、総理の答弁を求めます。
  • 帰還困難区域については、5年後を目指した住民の避難指示解除や居住可能なまちづくりに向けた復興拠点の整備が、双葉町大熊町を皮切りにスタートしました。除染とインフラ整備を着実に進め、やがて帰還される住民の方々が安心と誇りを持って生活できる新しいまちづくりとともに、将来的には浜通りの福島イノベーション・コースト構想と連動した新産業の雇用創出を見据え、新たな住民確保にも全力を挙げて取り組まなければなりません。復興拠点の整備促進について、総理の決意を伺います。

内閣総理大臣安倍晋三君) 井上義久議員にお答え

  • 安倍内閣が進めている政策は、成長と分配の好循環をつくり上げていくというものです。成長し、富を生み出し、それが全国津々浦々の国民に広く均てんされ、多くの人たちがその成長を享受できる社会を実現していきます。政権交代後、アベノミクスによって、極めて短い期間で、デフレではないという状況をつくり出すことができました。特に、雇用は大きく改善しておまた、賃上げは、中小企業を含め、今世紀に入って最も高い水準の賃上げが4年連続で実現し、多くの企業で4年連続のベースアップを実施されております。こうした成果をより広い地域、より多くの人々に届けるため、人手不足に悩む中小・小規模事業者も含め、企業による人材や設備への力強い投資、並びにソサエティー五・〇の実現に向けたイノベーションを促すため、これまでにない大胆な政策を講じていきます。
  • 我が国が直面する最大の課題である少子高齢化の克服に向けて、生産性革命、人づくり革命を車の両輪として断行いたします。2020年を大きな目標に、生産性革命の実現に向けて、人手不足に悩む中小・小規模事業者も含め、企業による人材や設備への力強い投資、並びにソサエティー五・〇の実現に向けたイノベーションを促すため、これまでにない大胆な政策を講じていきます。人づくり革命については、幼児教育の無償化や介護人材の確保などを通じて、社会保障制度を全世代型へ転換するとともに、真に必要な子供たちに限った高等教育無償化など、人への投資を拡充します。これらの政策を力強く進めていくため、消費税率10%への引き上げに伴う増収分などを活用した二兆円規模の政策を取りまとめます。これにより、女性も男性も、お年寄りも若者も、障害や難病のある方も、一度失敗を経験した方も、誰もが生きがいを持って、一人一人がその能力を存分に生かせる一億総活躍社会を、公明党の皆様と力を合わせてつくり上げてまいります。
  • 少子高齢化が進展する中で、社会保障制度の持続可能性の確保と財政健全化を同時に達成する観点から、社会保障と税の一体改革を推進してきたところであります。その上で、足元の経済の成長軌道を確かなものとするために、我が国の最大の課題である少子高齢化の克服に向け、人づくり革命を断行します。子育て、介護といった現役世代が直面するこの二つの大きな不安の解消に大胆に政策資源を投入することで、我が国の社会保障制度を、お年寄りも若者も安心できる全世代型へと大きく改革してまいります。今後とも、世界に誇るべき社会保障制度を次世代に引き渡していく責任を果たすとともに、少子高齢化を乗り越え、我が国を力強く成長させるため、必要な政策を実行してまいります。
  • 消費税の軽減税率制度については、税制抜本改革法に基づく消費税率10%への引き上げに伴う低所得者への配慮として、2019年10月に実施することとされています。
  • 真に必要な子供たちには、高等教育を無償化します。授業料の減免措置の拡充と、給付型奨学金の支給額の大幅増加を検討しています。また、無利子奨学金については、今年度から、低所得世帯の子供に係る成績基準の実質的撤廃や残存適格者の解消を図るとともに、卒業後の所得に応じて返還月額が変わる所得連動返還型奨学金制度を導入したところ。既に返還を開始している方に対しては、減額返還制度の拡充により、返還負担の軽減に取り組んでいます。私立高校の授業料の無償化については、山口代表から申し入れがあり、検討しているところ。また、高校生等奨学給付金のあり方については、今後検討。幼児教育の無償化については、2020年度までに、三歳から五歳までの全ての子供たちの幼稚園、保育園の費用を無償化する、ゼロ歳から二歳児についても所得の低い世帯に対して無償化するとの方針のもとで、現在、具体的な検討を進めているところです。これまでも保育士や幼稚園教諭の処遇改善や労働負担の軽減などの働きやすい環境整備を進めてきている。幼児教育や高等教育の無償化については、与党の提言をいただいた上で、12月上旬に新しい経済政策パッケージを取りまとめてまいります。
  • TPPや日・EU・EPA交渉においては、農林水産分野について、重要五品目を中心に関税撤廃の例外をしっかり確保し、関税割り当てやセーフガード等の措置を獲得しました。これまでも、TPP対策として、産地の国際競争力の強化や農林水産物の輸出拡大などの体質強化対策を実施してまいりました。さらに、今月下旬に改定する総合的TPP関連政策大綱に基づき、2017年度補正予算も含め、農林水産業の強化策等の措置を講じてまいります。
  • 罰則つき時間外労働の上限規制の導入などの働き方改革については、働き方改革実行計画の内容を踏まえ、法案の早期提出を目指します。その際、取引関係の弱い中小企業は、発注企業からの短納期要請や顧客からの要求などに応えようとして長時間労働になりがちです。商慣習の見直しや取引条件の適正化を一層強力に推進します。また、自動車運送業、建設業、医師などについても、それぞれの業界の実態に応じたきめ細かな対応に取り組んでまいります。教員については、業務の効率化、精選や、学校の指導、事務体制の効果的な強化充実などについて検討し、年末までに緊急対策を取りまとめてまいります。
  • がんは、国民の関心が高く、早期発見、早期治療とともに、療養中の生活の質の向上が重要。このため、昨年改正したがん対策基本法に基づき、本年10月に、第三期がん対策推進基本計画を、御党からの御提案を踏まえながら策定。この計画では、がん予防、がん医療の充実及びがんとの共生を三つの柱としております。今後、この計画に基づき、がん教育の全国展開、がんゲノム医療提供体制の構築、傷病手当金制度の見直しの検討を含む治療と仕事の両立支援、医療者に対する緩和ケア研修の普及などの取り組みを通じて、がん対策をさらに推進してまいります。また、2020年に開催される東京オリンピックパラリンピックに向けて、受動喫煙対策を徹底する。
  • 社会全体で水害に備える、河川の氾濫を防ぐ対策とともに、氾濫した場合にも被害を軽減する対策や、地域住民への水害リスクやとるべき避難行動の周知等の総合的な取り組みを、地方自治体と一体となって推進してまいります。また、九州北部豪雨においては、住民と行政が協力して作成し、自主避難場所等も記載した防災マップが減災につながったと言われており、このような取り組みを、中山間地域を含め、全国的に広めていく必要があると考えています。
  • 福島の避難指示解除に伴い、特に高齢者を初め、帰還した住民の皆さんがふるさとで安心して生活できる環境を整備するため、介護サービスや医療の提供体制の確保を図ることが重要な課題です。介護サービスの提供体制を整備するため、避難指示解除区域の介護施設等の安定的な運営の支援に取り組むとともに、介護、福祉の担い手を確保するため、この地域で働くことを希望する方に対する就職準備金の引き上げなどの支援に取り組んでまいります。医療の提供体制についても、被災地域における医療機関の再開支援や医療従事者の養成確保のために必要な予算を確保しています。
  • 帰還困難区域については、将来的に帰還困難区域の全てを避難指示解除し、復興再生に責任を持って取り組むとの決意のもと、まずは復興拠点から、着実かつ段階的に、政府一丸となって、一日も早い復興を目指して取り組んでいく考えです。このため、新たな制度のもと、帰還困難区域に特定復興再生拠点を設け、避難指示解除後の土地利用を想定した整備計画に基づき、除染、解体事業についてもインフラ整備などと一体的に実施することとしています。この特定復興再生拠点の整備に当たっては、町村が計画を作成する段階から、国も前面に立って必要な支援を行ってまいります。あわせて、福島イノベーション・コースト構想を推進することにより、浜通り地域に新しい雇用を生み出し、町村、県、国が一体となって新たなまちづくりを力強く進めてまいります。

石井啓一 (東北の観光復興について回答)

  • 東北地方につきましては、外国人旅行者の延べ宿泊数が、一昨年ようやく震災前の水準に戻ったものの、全国の水準に比較すると、伸び率は必ずしも高くない。このため、昨年を東北観光復興元年といたしまして、2020年に東北6県の外国人延べ宿泊者数を150万人泊とする目標実現に向け、東北観光復興対策交付金を2016年度に創設しております。この中で、地域で実施する滞在コンテンツの充実強化、プロモーションの強化、受け入れ環境整備に対して支援を行っております。また、日本政府観光局による、全世界を対象といたしましたデスティネーションキャンペーンといたしまして、海外の著名人や旅行会社、メディアなどを東北に招いて、東北の魅力を海外に発信し、集中的なプロモーションを実施しているところであります。さらに、福島県における風評被害対策及び震災復興に資する観光関連事業といたしまして、イベント開催等による国内プロモーションや、関係者を福島に招待し実態を見ていただく教育旅行再生事業等に対する支援を行っているところであります。2019年のラグビーワールドカップや、復興五輪と位置づけられる2020年東京オリンピックパラリンピック競技大会の機会も十分活用する。

岡田克也無所属の会

  • 例えば、ティラーソン国務長官が述べている北朝鮮に体制転換は求めないという考えは、日米首脳間の共通認識なのでしょうか。安倍総理自身はどう考えているのでしょうか。また、朝鮮半島有事における6万人の在韓邦人の退避計画について、トランプ大統領との間でどのような議論が行われたのでしょうか。在韓邦人は安心していてよいのでしょうか。
  • 朝鮮半島で軍事衝突が発生した場合の甚大な犠牲は明らかです。先月末の米国の議会調査局報告書では、北朝鮮が通常兵器のみを使用する場合でも、軍事衝突の最初の一日だけで、ソウルで3万から30万人の民間人が死亡するとの想定がなされています。日本が直接の標的となる可能性も高いと言わざるを得ません。先制的な軍事行動は選択肢から排除するようトランプ大統領を説得することこそが、安倍総理、あなたがなすべきことではないですか。全ての選択肢がテーブルの上にあるとのトランプ大統領の立場を一貫して支持していると安倍総理の発言がありますが、余りにも軽率であり、撤回すべきです。安倍総理の答弁を求めます。
  • 先月29日に予定された航空自衛隊観閲式に、核兵器搭載が可能な米空軍B2戦略爆撃機が初参加するとの報道。結局、台風の影響で観閲式そのものが中止となったが、この報道にあるとおり、日米間で調整がなされた事実はあるのでしょうか。
  • 核兵器を持ち込まないという非核三原則をめぐる日本政府のうそは、私が外務大臣のときに行った核密約の調査によって明らかになっています。核兵器が搭載されているか否か、米国政府は決して明らかにしないはずです。朝鮮半島有事において、在日米軍基地から飛び立ったB2戦略爆撃機が核爆弾を投下するということが起こり得る重大問題です。核兵器搭載が可能な戦略爆撃機が日本に飛来することは認めるべきではありません。安倍総理の答弁を求めます。
  • 日本にとって重要な同盟国の大統領であるトランプ氏と、ある程度共同歩調をとることは必要でしょう。しかし、トランプ大統領オバマ前大統領の政策の多くを否定しています。第一に、大統領がかわって、米国の政策が大きく変わったにもかかわらず、変わることなく米国の政策を支持している安倍総理の姿勢は、結局、日本には独自の外交政策が存在しないということなのでしょうか。 第二に、安倍総理が日本外交の基本方針として一時期盛んに唱えた価値観外交、すなわち、自由、民主主義、基本的人権の尊重、法の支配といった普遍的な価値に基づく外交は一体どこに行ったんでしょうか。第三に、米国にひたすら追随する安倍総理の外交姿勢が、国際社会における日本の存在を小さくし、国益を損ねているのではないかと私は強く懸念しています。以上の三点について、総理の答弁を求めます。
  • 日本の少子化、人口減少の根本原因は、未婚化、非婚化にある。1990年に10人に1人だった日本人男性の生涯未婚は、今や4人に1人になっています。人口減少問題のより根本的な原因は、結婚を望みながら経済的な理由で諦めている人が数多くいることです。この点、安倍総理も同様の認識でしょうか。答弁を求めます。生涯未婚が大幅にふえている大きな原因は、雇用が不安定化し、所得が減少していることです。30歳から34歳の男性で結婚している人の割合は、非正規雇用では23.3・%であり、正社員の半分以下です。そういう中、非正規雇用の割合は、1990年の20.2%から、現在は37.5%とほぼ倍増し、特に25歳から34歳の男性は、1990年の3.2%から15.8%へと激増しています。この現実をどう考えているのか、安倍総理の答弁を求めます。
  • 安倍政権が強行した一昨年9月の労働者派遣法の改悪などがその後押しをしてきました。明らかに誤った政策です。より安定した働き方を可能とし、格差を是正することこそが人口減少に歯どめをかけるために抜本策であるとの認識を共有し、大きく政策転換する覚悟があるか、安倍総理の答弁を求めます。
  • 財政健全化問題。し安倍総理のこの問題への対応は先送りの連続であり、極めて不十分です。安倍総理は、消費税増税分の使途変更を財政健全化目標が達成できなくなる理由としています。しかし、それは、その使途変更がなくとも、2020年度のプライマリーバランスは8.3兆円もの赤字になるというのが従来の政府試算です。そして、今後三年間でその赤字を埋める具体策は政府によって何も示されていません。安倍政権の財政健全化目標は、とうに破綻していたのです。そのことを正直に認めるべきと考えますが、安倍総理の答弁を求めます。
  • 財政の健全化は待ったなしです。このままでは、次世代に大きな負担を強いるのみならず、今の世代の社会保障制度の持続可能性すら危ぶまれる状況にあります。一体、いつ新たな財政健全化目標は示されるのでしょうか。その際の目標年限はいつにするのでしょうか。安倍総理の答弁を求めます。
  • 第一に、プライマリーバランス黒字化の目標は必ず残すべきです。
  • 3つ提案する。それぞれについて答弁を求める。第一に、プライマリーバランス黒字化の目標は必ず残すべきです。第二に、歳出削減のさらなる深掘りや税制改革による歳入増を柱とした堅実な財政健全化計画とすべきです。とりわけ、主要歳出項目について、具体的な歳出削減計画の策定が必要不可欠です。第三に、安倍政権で膨張する財政が何とか持ちこたえているのは、日銀の超低金利政策によって国債の利払い費が抑えられているからです。しかし、いつまでもゼロ金利の時代が続けられるわけではありません。名目長期金利が正常化すれば国債の利払い費が急増し、その結果、仮にプライマリーバランス黒字化を達成したとしても、財政収支全体の赤字はさらに拡大するという状況に陥りかねません。新たな財政健全化計画では、低金利による国債の利払い費の抑制分は、歳出増に充てるのではなく、国債発行の減額に充てるという原則を確立すべきです。
  • 安倍総理によく考えていただきたいことを三つ指摘します。第一に、建設的な議論を行うためには十分な時間が必要です。野党の質問時間を大幅に削減するのは大きな間違いです。与党だけではありません。菅官房長官は記者会見で、国会議員が等しく質問できるよう議席数に応じて配分するのは、国民の側から見てもっともな意見だと発言しました。都合のいいときだけ国民を持ち出し、かつ、国会運営に政府が口を出すものです。この官房長官の記者会見発言を安倍総理はどう受けとめているのか。第二に、野党との論戦に当たり、安倍総理には逃げの答弁が目立ちます。国民の疑問に対して正直に説明することがなければ、安倍総理に対する国民の信頼は決して戻りません。安倍総理はこの点をどう考えているのでしょうか。第三に、安倍総理は、民主党政権時代の批判や野党攻撃が得意です。時には、野党議員に向かってやじられることもあります。しかし、野党の主張にも謙虚に耳を傾け、敬意を払い、よい提案については取り入れる度量の広さを歴代総理大臣は示してきました。私は、安倍総理にその姿勢が決定的に欠けていると思います。国会における建設的な議論を拒否しているのは安倍総理ではありませんか。

内閣総理大臣安倍晋三君) 岡田克也議員にお答え

  • 北朝鮮の挑発に屈することなく、毅然とした外交を通じて、北朝鮮の政策を変えさせるとの覚悟で取り組んでおります。もとより政府として、他の国、地域の体制を力により転換することを目標として掲げたことはありません。米国の今後の対応を予断することは差し控えますが、日米間で、北朝鮮問題への対応に関し緊密に連携してまいります。
  • 邦人の退避と保護について、米国とは、日米防衛協力のための指針も踏まえ協力を進めてきています。
  • 我が国は、全ての選択肢がテーブルの上にあるとのトランプ大統領の立場を一貫して支持しており、それは今も変わりありません。北朝鮮に政策を変えさせるため、日米で協力して、あらゆる手段を使って圧力を最大限にし、北朝鮮から対話を求めてくる状況をつくっていくことが必要です。
  • 米軍のB2爆撃機の航空観閲式への参加及び非核三原則について。航空観閲式においては、自衛隊機に加え、同盟国の米軍機も参加するのが通例です。B2爆撃機の参加を含め、日米間で緊密に連携して調整していた。また、B2爆撃機の航空観閲式への参加調整に際しては、米側に対し、航空ショーにおける上空飛行を行う航空機は武装していないということを確認しています。政府としては、非核三原則を国是として堅持しており、これを見直すことは全く考えておりません。
  • 米国の大統領が交代しても、強固な日米同盟と米国のアジア太平洋へのコミットメントは不変です。我が国は一貫して米国のこの姿勢を強く支持しており、これは、まさに日本外交の礎がぶれないことを示すもの。トランプ大統領訪日の際には、かねてより日本が提唱している、自由で開かれたインド太平洋戦略を日米で協力して進めることで一致。
  • 非正規雇用を取り巻く雇用環境については、不本意ながら非正規の職についている方の割合は前年に比べて低下し続けている、働き盛りの55歳未満では、2013年から19四半期連続で、非正規から正規に移動する方が正規から非正規になる方を上回っているなど、着実に改善をしています。非正規から正規への転換などを行う事業主へのキャリアアップ助成金などを通じ、今後も正社員転換をより一層進めてまいります。また、同一労働同一賃金の実現、長時間労働の是正など、働き方改革に取り組んでまいります。
  • 再来年10月に引き上げが予定される消費税の使い道を見直し、子育て世代、子供たちに大胆に投資してまいります。
  • 先般の労働者派遣法改正は、派遣労働者の雇用安定とキャリアアップ、均衡待遇措置の強化などを内容とするものであり、改悪とは考えておりません。
  • 政府は、消費税率引き上げ分の使い道を見直し、子育て世代、子供たちに大胆に投資をするとともに、社会保障の安定化にもバランスよく充当することとしております。これにより、プライマリーバランスの黒字化の達成時期に影響が出ることから、2020年度のプライマリーバランスの黒字化は困難となります。ただし、財政健全化の旗は決しておろさず、プライマリーバランスの黒字化を目指すという目標自体はしっかりと堅持してまいります。この目標の達成に向け、これまでの経済・財政一体改革の取り組みを精査した上で、プライマリーバランスの黒字化の達成時期、そして、その裏づけとなる具体的かつ実効性の高い計画をお示ししてまいります。
  • 御指摘の官房長官の発言は、国会がお決めになることを前提とした上で、あくまで一般論として述べたものであると承知しております。私も、内閣総理大臣の立場でこれ以上のコメントは差し控えます。
  • 国会における審議については、国民の皆様がそのやりとりを見詰めており、私も含めて全ての国会議員が国民の負託に応えられるような真摯で建設的な議論を行うべきと考えております。ぜひ、無所属の会の皆さんとも、正々堂々、建設的な議論を行わせていただきたいと考えておりますので、よろしくお願いを申し上げます。

志位和夫日本共産党

  • 森友疑惑。なぜ国民の財産である国有地が8億円も値引きされたのか。売却に直接かかわった財務省職員と森友学園側とのやりとりを記録した音声データには、地下深くまでごみがあったことにして売却価格を引き下げるというシナリオを財務省職員の側から提案していたことが記録されています。籠池氏は国会で、神風が吹いたと証言しましたが、神風が吹き出した時期と安倍昭恵夫人が名誉校長に就任した時期が重なっているのは、到底偶然とは考えられません。売却に直接かかわった財務省職員と、売却交渉のときの名誉校長であった昭恵夫人に国会に来ていただき、直接話法で真実を語ってもらうことが必要であると考えますが、総理の見解を問うものであります。
  • 加計疑惑。加計学園理事長の親友である総理の関与によって、獣医学部新設に特別の便宜が図られたのではないかというところにあります。総理は、関与したと言った方は一人もいないと述べ、みずからの関与を強く否定。しかし、獣医学部の新設が国家戦略特区に認定される過程で、総理の御意向とか、官邸の最高レベルが言っているなどと記載された文書が文科省内で交わされ、圧力として働いたことは紛れもない事実。総理がみずからの関与を否定するなら、総理の名をかたって関与した人物が別にいるということになります。その人物を明らかにして、断固とした処置をとる意思はありますか。
  • 総理は、加計氏から獣医学部新設の話をされたことはないと言います。しかし、加計孝太郎氏は、特区に獣医学部の新設を認める山場の時期に、当時の農水大臣、文科大臣、地方創生大臣に相次いで面会し、獣医学部新設の話をしています。民間の一学園理事長である加計氏が三人の大臣と直接面談すること自体が極めて異例が、そのときに、加計氏が腹心の友である総理の名をかたって、行政への働きかけを行った事実はありませんか。その究明のためにも、加計孝太郎氏の国会招致は不可欠だと考えますが、総理の見解を求めます。
  • 北朝鮮問題。総理の姿勢に二つの大きな問題点がある。第一は、総理が、対話のための対話は意味がないと、対話否定論を繰り返し述べていることであります。現在の最大の危機は、米朝の軍事的緊張が高まるもとで、偶発的な事態や誤算から軍事衝突が起き、戦争に発展することにあります。この危機を回避し、打開するためにも、米朝が直接対話に踏み切ることが必要だと考えますが、いかがですか。経済制裁強化と一体に、対話による平和的解決を図ることこそ唯一の解決策であり、日本政府はそのためのイニシアチブを発揮すべきではありませんか。第二は、総理が、全ての選択肢はテーブルの上にあるという米国政府の立場を支持すると繰り返していることです。ここで言う選択肢の中には、米国による先制的な軍事力行使が含まれていることは明瞭です。万一、米国が先制攻撃に踏み切ったら、何十万、何百万もの人命が最初の数日間の戦闘で失われるという強い警告がされています。こうした危険な道にあらかじめ支持を与えるなど、言語道断であります。米国政府に対して、先制的な軍事力行使は絶対にやるべきではないと提起すべきではありませんか。総理の答弁を求めます。
  • 選挙の翌日、日本経団連の榊原会長は、安倍政権には、国民の痛みを伴う改革にも取り組んでもらいたいとして、計画どおりの消費増税の実行と社会保障制度の改革に勇気を持って取り組めと求めました。この号令に呼応するように、財務省の財政制度審議会、内閣府経済財政諮問会議で、相次いで社会保障改革の案が出されました。その内容は、医療、介護、生活保護など、社会保障のあらゆる分野で給付削減の大なたを振るおうというものです。介護では、要介護一、二の在宅サービスを介護保険の給付から外すことが提案されています。安倍政権のもとで、既に要支援一、二の176万人の在宅サービスが保険給付から外されています。この上、要介護一、二の240万人のサービスまで保険給付から外したら、要支援、要介護と認定されている人の実に65%が保険給付の枠外に置かれてしまいます。高い保険料を払って要支援、要介護と認定されても、6割以上の人がサービスを受けられない。こうした制度改変で大変困るのは、介護が必要な家族を持つ現役世代であります。介護離職は10年間で105万人に上ります。総理は介護離職ゼロを掲げておられますが、6割以上の人から保険給付を取り上げて、どうして介護離職ゼロになりますか。生活保護では、子供のいる世帯を狙い撃ちにした切り下げが検討されています。母子加算を初め、子育て世代に支給される各種加算を軒並み切り下げ、生活扶助費の本体についても、子供の多い世帯ほど厳しく削減していくというのが政府の方針です。これが実行されれば、子だくさんの貧困家庭に事実上のペナルティーを科すことになります。総理は、少子高齢化を克服する、貧困の連鎖を断ち切ると言われますが、やろうとしていることは全く逆のことではありませんか。総理は、総選挙で、社会保障制度を全世代型に転換すると公約しましたが、選挙が終わってやろうとしていることは、全世代に対する社会保障切り捨てにほかなりません。こうした姿勢を根本から改め、社会保障拡充への政策転換を図ることを強く求めるものであります。
  • 経団連がもう一つ、要求しているのが、計画どおりの消費増税の実行であります。大なことは、経団連が消費税増税法人税実効税率の25%への引き下げとセットで要求していることです。既に安倍政権のもとで、4兆円の法人税減税、大企業減税のばらまきが行われましたが、さらに2兆円を超える法人税減税を求めているのです。総理、国民には社会保障削減と大増税の激痛を押しつけながら、自分の税負担はひたすら軽くしてくれというこの財界の要求は余りに身勝手だと考えませんか。消費税10%への大増税は中止し、増税するなら、富裕層と大企業に応分の負担を求める税制改革こそ実行すべきであります。明確な答弁を求めます。
  • 総選挙では、沖縄の4つの小選挙区のうち、一、二、三区の三つで、辺野古新基地に反対するオール沖縄の候補者が勝利しました。新基地建設に反対する沖縄県民の民意がはっきり示された結果であることは明らかであります。ところが、政府は、そのわずか二週間後に、新たな護岸工事の建設に着手。総選挙で沖縄県民が新基地建設反対の審判を下したという事実をあなたはお認めにならないのですか。政府の暴挙は、沖縄には民主主義は適用しないという宣言に等しいものだと考えますが、いかがですか。
  • 米軍ヘリが炎上、大破した事故が住民の生活する民有地で起こったのに、日本の警察は立入調査すらできませんでした。機体の一部に放射性物質が使われていたにもかかわらず、十分な調査ができませんでした。昨年のオスプレイ墜落事故のときにも、海上保安庁は原因究明に関与することができませんでした。これで独立した主権国家と言えますか。日米地位協定の抜本見直しが必要だと考えますが、いかがですか。
  • 総理は、憲法9条の1項、2項は残しつつ、自衛隊を明文で書き込む憲法改定を主張しておられます。総理は、ただ存在する自衛隊を書くだけで、何も変わらないと言いますが、とんでもありません。極めて重大な問題が生まれてきます。法律の世界では、後からつくった法律は前の法律に優先する、このことが一般原則とされています。ですから、仮に9条2項が残されたとしても、後からつくった条項で自衛隊が明記されれば、こちらが優先され、9条2項の空文化、死文化に道を開くことになるのではありませんか。そうなれば、9条2項によってできないとされてきた武力行使を目的にした海外派兵や集団的自衛権の全面的発動が可能となり、海外での武力行使が無制限になるのではありませんか。こうした大改悪には我が党は断固反対であります。
  • 総理に憲法改定を語る資格があるでしょうか。安保法制、秘密法、共謀罪、どれもこれもが憲法違反の法律を数の暴力で通してきた。野党が憲法53条に基づいて臨時国会召集を要求しても、3カ月も放置したあげく、冒頭解散を強行しました。憲法を守らない総理に憲法を変える資格などありません。今、日本に求められているのは、憲法を変えることではなく、憲法をきちんと守る政治を取り戻すことだということを訴えて、私の質問を終わります。

内閣総理大臣安倍晋三君) 志位和夫議員にお答え。

  • 森友学園への国有地の売却における当事者間でのやりとりについては、現在捜査が行われており、捜査の場及びその後の司法の場において明らかになっていくことだろうと思います。私自身、国会において丁寧な説明を積み重ねてまいりました。
  • 私は、国家戦略特区における獣医学部新設とについて、具体的に指示したり働きかけをしたことは、一度もありません。他方、岩盤規制改革を全体としてスピード感を持って進めるよう常々指示してきたところであり、担当大臣のリーダーシップのもと、節目節目で関係大臣の間に異論がないことを確認し、合意の上で適正に進められてきたもの。こうしたプロセスについては、特区の民間有識者も一点の曇りもないと述べているところであり、関係者の処分といった御指摘は当たりません。
  • 加計理事長と各大臣との面会においては、御指摘のような事実はなかった旨、既に政府として答弁しているとおりであります。先般の閉会中審査において、関係大臣を初め誰一人として私から国家戦略特区における獣医学部新設につき指示を受けなかったことが明らかになったところであり、そのことが、今回の行政プロセスを評価するに当たり、最も重要なポイントであると考えております。
  • 非核化に向けた対話を拒否しているのは北朝鮮です。北朝鮮に政策を変えさせるため、あらゆる手段を使って北朝鮮に対する圧力を最大限にし、北朝鮮の方から対話を求めてくる状況をつくっていくことが必要です。
  • 軽度の要介護者に対する生活援助サービス等については、経済・財政再生計画改革工程表に沿って、高齢者の自立支援等の観点から、引き続き検討を行ってまいります。要支援の方がサービスを受けられないとの御指摘ですが、2014年の介護保険法改正では、要支援の方を引き続き介護保険の地域支援事業の対象として、市町村が必要なサービスを地域の実情に応じて効果的かつ効率的に提供できるよう仕組みを見直したもの。
  • 介護離職ゼロに向けて、2020年代初頭までに50万人分の介護の受け皿を整備します。他の産業との賃金格差をなくしていくため、介護人材のさらなる処遇改善を進めてまいります。
  • 生活保護基準については、最低限度の生活を保障する観点から、低所得世帯の消費水準と均衡がとれる適正な水準となるよう、現在、専門的かつ客観的な検証を行っているところです。その中で、子供がいる家庭については、貧困の連鎖を防ぐ観点から、子供の健全育成に必要な費用の範囲や水準について検討を行ってまいります。
  • 社会保障に関しては、少子高齢化が進行する中で、社会保障費の伸びが引き続き見込まれます。そうした中で、持続可能な社会保障制度を構築するために、医療や介護などの給付と負担を見直しつつ、社会保障・税一体改革やニッポン一億総活躍プランに掲げた充実を図ってきたところです。さらに、今般、現役世代が直面する子育て、介護という二つの大きな不安の解消に大胆に政策資源を投入することで、我が国の社会保障制度を全世代型へと大きく転換していく方針であり、全世代に対する社会保障切り捨てとの御指摘は、これも当たりません。
  • 消費税率の10%への引き上げに当たっては、中止することはありません。使い道の見直しによって、我が国の社会保障制度をお年寄りも若者も安心できる全世代型へと大きく改革してまいります。
  • 安倍政権において取り組んできた成長志向の法人税改革は、租税特別措置の縮減、廃止等による課税ベース拡大により財源をしっかり確保しつつ行ってきたものであります。また、税制の再分配機能の回復を図るため、所得税最高税率の引き上げ等を講じてきたところです。
  • 沖縄県におけるさきの総選挙の結果については真摯に受けとめています。普天間飛行場の固定化は絶対に避けなければならないということであります。普天間辺野古への移設は、沖縄県と合意した和解の内容と最高裁判所の判決に従って進めているものです。
  • 米軍のCH53Eヘリの事故に際しては、防衛省沖縄県警察及び沖縄県の関係者等も現場に立ち入り、状況を確認するとともに、放射能調査を実施し、一般的な環境と比べて差異はないことを確認しています。また、昨年のオスプレイ不時着水事故については、海上保安庁において所要の捜査を行っています。
  • 米軍機の飛行安全の確保は、米軍が我が国に駐留する上での大前提です。政府としては、引き続き、米側に対し、安全面に最大限配慮するとともに、地元住民への影響を最小限にとどめるよう強く求めてまいります。
  • 日米地位協定は大きな法的枠組みであり、政府として、事案に応じて最も適切な取り組みを通じ、一つ一つの具体的な問題に対応してきています。安倍政権のもとでは、二つの補足協定の作成が、日米地位協定締結から半世紀を経て初めて実現しました。
  • 憲法改正の内容については、私は、今、内閣総理大臣として答弁しており、自民党が検討している改正案についてこの場でお答えすることは差し控えさせていただきたいと思いますが、その上で、自衛隊の存在が憲法に明記されることによって自衛隊の任務や権限に変更が生じることはないものと考えており、これは1項、2項を残すという私の提案を前提に申し上げておるところでございます。

馬場伸幸日本維新の会

  • 現在の日本は、明治維新のときに設計された、人口が右肩上がりで増加し、経済が成長し、税収がどんどん上がっていくという前提で考えられた全ての行政制度は、その前提条件が崩れ、疲弊しています。さらに、どの分野も現状の日本に適合している状態とは言えず、閉塞感が漂っています。国民は、現役時代は普通に働けば普通に暮らしていける、そして、現役を退けば、第二の人生は何の不安や心配もなく暮らしていける、そういう社会や制度を望んでいます。そのためには、坂本龍馬の言葉をかりれば、日本をいま一度洗濯いたし候を行う必要があります。これからの百年先、百五十年先の日本を想像しながら、今こそ日本大改革を行うときであります。一強政権、安定政権だからこそできる大改革を総理主導のもとで行ってほしい、それが衆議院選挙で示された本当の民意であると考えます。我々日本維新の会も、その名のとおり、「維れ新たなり」という発想で建設的な議論をこれからも行っていくことを約束します。
  • 安倍総理は、さきの衆議院解散を国難突破解散と名づけました。そうした国難を招いたのは一体誰の責任なのでしょうか。長年政権を担ってきた自民党の不作為の結果なのではないでしょうか。国難ではなく怠慢です。国難とあおってみても何も生まれない、むしろ、なすべきことはわかっているのですから、タブーを恐れず、覚悟を持って実行に移していくべきです。
  • あえて国難という言葉に意味があるとすれば、安倍政権になって国民負担率が2.7%ふえた、国民にとっては災難。国民の収入のうち、税金の負担率と社会保障負担率を合計したいわゆる国民負担率は、第二次安倍政権になる直前の2014年には39.7%でしたが、2017年には42.5%にはね上がりました。国民負担率の増大をどう認識されていますか。また、負担率を上げるその前にやるべきことがあるのではないでしょうか。
  • アベノミクスは失敗した、国民が好景気を実感できないと言われていますが、知らぬ間に負担だけがふえれば、実感できないのも当たり前です。さらに、二年後には消費増税が予定されています。政治家だけが議員特権を拡大し、国民の負担は確実に増大する、これこそ国難ではないでしょうか。
  • 国会議員の議員年金は1999年に廃止され、地方議員年金は、積立金が枯渇して制度が破綻する見込みとなり、2011年6月に廃止。しかし、自民党を中心に、地方議員年金にかわる新たな公的年金制度を求める動きがあります。先日、自民党幹部は、元国会議員生活保護を受けたりホームレスになったりする方もいると聞いているとし、議員年金の復活を示唆。一方、廃止された地方議員年金の既存支給者への給付は現在も続いており、完全廃止まで今後50年間、自治体は負担を負い続けます。総務省の試算によれば、公費負担累積額が1兆1400億円にも上ります。自治体はこれだけの負の遺産を背負わされています。その上に、地方議員の公的年金制度を復活させるというのは、とんでもない話です。日本維新の会は、地方議員の新たな公的年金制度には徹底的に反対します。また、国会議員年金の復活にも徹底的に反対をします。
  • 非常勤で兼業が許される地方議員の立場を考えた上で、新たな公的年金制度が必要なのかどうか。また、国民の中には、国民年金のみで生活をされている方々が少なからずいらっしゃいます。元国会議員国民年金では生活できないということであれば、国民年金制度自体を根本的に見直すことが優先されるべきです。国会議員、地方議員年金を復活させることについて、総理の所見をお伺いいたします。
  • 高等学校無償化に関して。財源について、安倍総理は消費増税を活用すると明言されました。大阪府では、6年前の2011年から、私立を含めた高校の実質無償化を実現。そして、その財源は、身を切る改革・行財政改革で、財源を捻出し、府民の新たな負担なしに実現。大阪市守口市門真市でも、新たな負担なしに幼稚園や保育園の無償化を実現。総理、この大阪での、国民に新しい負担を負わせず教育の無償化を次々と実現していることをどう評価していますか。国においても、徹底的な行財政改革によって財源を捻出し、増税を行わずに教育無償化を実現できると考えますが、総理の所見をお伺いいたします。
  • サンフランシスコ市セント・メリーズ公園の私有地に民間団体が設置した慰安婦像と碑文がありますが、展示スペースごとサンフランシスコに寄贈され、11月14日に同市議会が寄贈の受け入れを議決しました。姉妹都市である大阪市の吉村洋文市長は、ハガティ駐日大使やリー・サンフランシスコ市長に、書簡を通じて、寄贈を受け入れれば慰安婦像と碑文の内容を同市の意思とみなさざるを得なくなると、姉妹都市関係の解消も視野に、慰安婦像の受け入れ撤回を強く求めてきました。碑文には、史実ではない適切な表現が含まれています。この問題は、本来、日本政府が解決すべき外交問題です。リー市長が拒否権を行使しなければ、今月24日には慰安婦像と碑文が公共物になってしまいます。菅官房長官は、この問題に関し、11月6日の記者会見で、極めて残念と述べました。自民党の二階幹事長も17日の記者会見で不快感を示し、これからは慰安婦問題について渡米時には必ず意見を申し述べてくると述べました。サンフランシスコ市への慰安婦像の寄贈問題を安倍総理はどう捉まえていますか。大阪維新の会大阪市会議員団は、11月17日、河野太郎外務大臣に、サンフランシスコにおける慰安婦像設置及び慰安婦の日制定について、その撤回等を求める要望書を提出しました。そして、慰安婦にまつわる諸問題は、朝日新聞を初めとする報道機関や一部のジャーナリストによる捏造であった事実をサンフランシスコにはっきり伝え、そのことの普及啓発に努めるよう要望しました。しかし、時既に遅しです。大阪市会は、ことしの5月と9月にも、慰安婦像設置を撤回するようサンフランシスコ市議会に求める決議を行おうとしましたが、市議自民党が反対し、二回とも否決されました。維新の大阪市会議員団が河野外務大臣に要望せざるを得なかったのは、大阪市会で否決されたためです。大阪市におけるこうした自民党の行動は国益に反するものと断じざるを得ませんが、安倍総理自民党総裁としてどう受けとめられますか。
  • ギャンブル依存症は、ギャンブルにのめり込むことによる多重債務、貧困、虐待といった重大な社会問題を引き起こしています。対策には、発症、進行、再発の各段階に応じたものが必要です。また、アルコールや薬物などの依存症と合併しているケースもあります。ギャンブル依存症の関係者会議をつくって、有益な意見と実績を持つNPOにも参加をお願いすることを考えています。依存症患者本人とそれを支える家族も苦しんでいます。総理はどうお考えですか。
  • 2025年国際博覧会に関して伺います。大阪・関西は、大阪湾岸の夢洲に万博を誘致すべく立候補しました。テーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」。日本経済が東京一極集中に進む中、東京以外の経済成長の拠点をつくるためにも重要なイベントです。大阪・関西の万国博覧会の誘致は、オール・ジャパン体制で臨まなければなりません。誘致をかち取るため、総理の決意を改めて伺います。

内閣総理大臣安倍晋三君)、馬場伸幸議員にお答え

  • 少子高齢化が進み、社会保障費が増大する中、消費税率の引き上げを含め、社会保障と税の一体改革を進めてきた。このため、国民負担率は上昇。国民の負担を適正で負担可能な範囲にとどめ、今後とも、国民の活力を損なわないことに留意しつつ、社会保障の改革を含め、徹底的な重点化、効率化など、歳出削減に取り組んでまいります。
  • 地方議員の厚生年金への加入については、国民の幅広い政治参加や、地方議会における人材確保の観点から必要との考え方もありますが、他方、保険料の公費負担などの課題もあります。この問題は、地方議員の身分の根幹にかかわることであり、国民の皆様の声や議員の声もよく聞きながら、各党各会派において検討がなされる必要がある。国会議員の議員年金についても、同様。
  • 大阪の取り組みについては、大阪の実情を踏まえた意欲的な取り組みであると評価したいと思います。安倍内閣では、経済再生なくして財政健全化なしとの基本方針のもと、アベノミクスを進めることで財政健全化に大きな道筋をつけてきました。国、地方を合わせた税収は約22兆円増加し、新規国債発行額も約10兆円減っています。また、例えば社会保障関係費の伸びを三年連続で実質5千億円以下に抑制するなど、歳出削減努力を続けてきたところである。行政改革についても、これまでも行政事業レビューなどの取り組みを進めてきたところ。他方、大きな改革には大きな財源が必要になります。財源がないままでは、改革の中身それ自体が小さくなるおそれがあります。
  • 大阪市議会自民党の活動については詳細は承知していませんが、慰安婦像のサンフランシスコ市への寄贈は、我が国政府の立場と相入れない極めて遺憾なことであると考えています。政府としては、サンフランシスコ市長に対して、24日までに拒否権を行使するよう申し入れを行いました。
  • 政府では、ギャンブル依存症対策について、本年8月に強化策を取りまとめました。
  • 国際博覧会の国家への誘致は、日本の魅力を世界に発信する絶好の機会となります。開催地のみならず、我が国各地を訪れる観光客が増大し、地域経済が活性化する起爆剤になると考えます。先週開催されたBIE総会における日本のプレゼンテーションでは、私みずからビデオメッセージを流すなど、オール・ジャパンの体制で取り組んでいることを強く発信し、各地から高い関心が示されたと聞いております。これまでも、私自身が各国の首脳に対し、直接、大阪・関西での万博開催への支持を要請してまいりました。