衆院・参院議事録要約

衆院・参院の議事録を要約してます。

第195回本会議第6回(2017/11/21)

井上義久公明党

  • 北朝鮮は、国際社会のたび重なる抗議や警告を無視し、相次ぐ弾道ミサイルの発射や核実験を強行しており、断じて容認できません。総理は、今月6日、トランプ米大統領との首脳会談後の共同記者会見で、対話のための対話では全く意味がない、北朝鮮から政策を変えるので話し合いたいという状況をつくっていくことが大事だと指摘されました。政府は、強固な日米同盟のもと、国際社会との連携をさらに深め、我が国が主導的役割を発揮して、国連安保理決議に基づく一連の制裁決議の完全履行を全ての国連加盟国に働きかけ、北朝鮮の政策転換を強く迫り、核、ミサイル、拉致といった問題の解決に全力を尽くすべきです。北朝鮮問題への対応について、総理の決意を伺います。
  • 安倍内閣発足から5年、これまでの経済財政政策によって、過去類を見ないほどの景気回復と雇用環境の改善が実現をしている。内需主導型の経済成長と賃金上昇による所得環境の改善が全国津々浦々で実感できることが最重要課題であるとの共通認識のもと、成長戦略を推進し、成長と分配の好循環の実現を目指してあらゆる施策を講じてきた結果。しかし、大企業を中心とする業績の回復と賃金上昇が続く一方で、地域の中小企業や、保育、介護、IT分野などでは、必要な場所に人材が不足しており、現場からは切実な声が上がっています。これまで、保育、介護人材や土木建設労働者の確保のために、処遇改善や労務単価の引き上げなど適時適切な政策を実行してきましたが、雇用・所得環境の改善や人手不足問題は、その解決に時間がかかることは否めません。成長と分配の好循環の創出について、総理の決意を伺います。
  • 総理の生産性革命と人づくり革命によって我が国の潜在力を存分に発揮することができれば、まだまだ日本は大きく発展できるチャンスが広がっていると確信します。例えば、AIやビッグデータなどに代表される情報通信技術をフル活用できる人材の育成は、そこから生まれた新しい技術によって、世界をリードする産業を育て、日本経済を底上げすることが期待されます。自動運転の早期実現のため、安全基準を策定すること、高齢運転者の交通事故防止に役立つ警報装置等の普及促進、トラックの自動隊列走行の実現による物流改革などもその典型例であり、総力を挙げて取り組むべきです。また、生産性革命には、人手不足で悩む中小企業や小規模企業を中心に、生産性を飛躍的に向上させるITツールの導入や設備投資を積極的に促すことが必要です。そのための予算や税制を早急に検討すべきです。生産性革命、人づくり革命に向けた取り組みについて、総理の答弁を求めます。
  • 国の社会保障給付費は、右肩上がりで増加。未曽有の超高齢社会を迎える2025年には150兆円に迫るという試算もあります。一方で、支え手である現役世代は減少の一途。そこで、2012年に、消費税率の引き上げを含む歳入改革と、効率的な運用による歳出の改革を同時に進めていく、いわゆる社会保障と税の一体改革について合意し、これまで工程表に沿って改革を進めてきました。社会保障制度を持続可能なものとしつつ、さらに強化するには、安定的な財源を確保する必要があります。そのために、消費税率を引き上げ、その増収分を年金、医療、介護、子育ての社会保障四分野の維持強化に充てることが一体改革のかなめです。今般、政府・与党は、この一体改革の基本を堅持しつつ、幼児教育の無償化を初めとする子育て支援や教育の充実など、現役世代が抱える不安解消に取り組むために、これまで予定していた増収分の使途を変更し、社会保障を全世代型に大きく改革することを決定しました。改めて、社会保障と税の一体改革の中で消費税の使い道を見直し、子育て世代や子供への支援を充実する意義について、総理の答弁を求めます。
  • 公明党は、社会保障の強化のみならず、消費税率の引き上げに際し、大きな痛みを実感する家計に対する視点を重視して、消費税の持つ逆進性を緩和するため、軽減税率の導入を訴え、制度実現をリードしてきました。消費税率10%への引き上げと同時に、軽減税率を円滑に確実に開始できるよう、万全の準備を進めることは、一体改革を完結させるための責任です。軽減税率の円滑な導入について、総理の答弁を求めます。
  • 公明党は、これまで一貫して教育費の負担軽減に取り組んできました。教科書無償配付もその一例です。教科書無償配付は、小学五年生の少女の切実な声がきっかけでした。彼女は、家計が苦しく教科書を購入できないことを教師に訴えたのです。その教師は、後に参議院議員となり、何はさておいても中学三年までの教科書代を無償にすべきと政府に訴えました。その結果、教科書無償配付は1963年から段階的に行われ、69年には小学校一年から中学三年生までの全児童生徒を対象に完全実施されました。公明党の「小さな声を、聴く力」が結実したあかしでもあります。さきの衆議院選で、私たち公明党は、家庭の経済的な理由にかかわらず、希望すれば誰もが教育を受けられるよう、幼児教育の無償化を初めとする教育負担の軽減を公約に掲げました。教育は、生涯にわたる人格形成の基礎を培うものであり、全ての子供に質の高い教育を受ける機会を保障することが重要だからです。特に公明党は、2006年から幼児教育の無償化を訴え続け、2012年の自公連立政権合意には段階的に進めることを盛り込み、着実に実績を積み上げてきました。一日も早く、ゼロ歳から五歳までの全ての幼児を対象とした幼児教育の無償化を実現すべきです。あわせて、保育士や幼稚園教諭等の処遇改善、働きやすい環境整備を図ることも重要です。
  • ほとんどの生徒が高校まで進学しています。ところが、公立を志願しても合格できず、やむを得ず私立に入学するケースも少なくありません。また、特色のある私立高校に学びたくても、経済的な理由から選択肢に入れられない生徒もいます。東京都がことし三月に発表した子供の生活実態調査によると、私立に在籍する高校生の保護者に私立高校を選んだ理由を聞いたところ、一般の所得世帯層では、「教育の質が高いと思った」が43.6%、「教育方針が気に入った」が37.5%。しかし、経済的困窮層では、「公立高校の入試に合格しなかった」が54.4%で最も高くなっています。高校生が安心して教育を受けられるよう、授業料に充てるための就学支援金が支給されています。公立高校は授業料の無償化が実現していますが、私立高校は、加算分を足しても授業料の平均額の40万円に遠く及んでいません。こうした公私格差是正の観点から、公明党は、年収590万円未満の世帯を対象に、私立高校授業料の実質無償化を実現すべきと訴えています。また、高校生がいる低所得世帯、多子世帯の負担軽減を図るため、授業料以外の教育費を支援する高校生等奨学給付金の制度についても、第一子の給付額を第二子以降の給付額と同額まで拡充し、低所得世帯や多子世帯の負担軽減を図るべきです。大学生については、今年度から、公明党が長年訴えてきた給付型奨学金が実現しました。今後さらに、給付額や対象枠を大胆に拡充すべきです。また、授業料減免の拡充も図り、希望すれば誰もが大学等で学べる社会を築かなければなりません。あわせて、希望する全ての学生に無利子奨学金の貸与を目指し、有利子から無利子への流れを加速させるとともに、17年度から新たに導入された、卒業後の所得に応じて奨学金の返還額が変わる所得連動返還型奨学金既卒者への適用を検討すべきです。以上、教育負担の軽減について、総理の答弁を求めます。
  • TPP11や日・EUなどの経済連携協定には、国内への影響、特に農業への影響を心配する声があります。日本の農林水産業が世界との競争の中でも生き残っていくためには、生産力の向上やブランド化を一層進めるとともに、担い手の確保や生産者が経営力を身につけるなど、現場の実態を踏まえた支援が急務です。2015年に策定した総合的なTPP関連政策大綱についても改定する必要があります。その際、今般の日・EU経済連携協定の大枠合意により新たに必要となる国内対策を盛り込むとともに、強い農林水産業の構築に向けた万全な対策を打ち出すべきです。我が国の農林水産業の持続的な発展に向けた安倍総理の決意を伺います。
  • 昨年、大手企業の女性社員が過重労働によって自殺。また、先月は、女性記者が過重労働の末、4年前に亡くなっていた事実が判明した。時間外労働に罰則つきの上限規制を設けるなど、命を守る働き方改革の実行が急務です。特に、中小企業には、多重的な下請構造や労務管理制度の未整備など、実態を踏まえた支援が求められます。大企業の働き方改革が進む中、中小企業にしわ寄せが及ばぬよう、企業間の適正な取引の徹底も不可欠です。業種によっては、発注者との関係で労働時間の短縮が難しい物流や建築業、地域医療の担い手の確保と働き方改革の両立など、それぞれの課題にきめ細かく対応する必要があります。学校教員も、勤務環境は極めて厳しい状況にあり、教職員定数の抜本的な拡充など必要。働き方改革の取り組みについて、総理の答弁を求めます。
  • 日本人の二人に一人が生涯のうちに何らかのがんになる時代を迎えています。先月24日、政府は、国の指標となる第三期がん対策推進基本計画を閣議決定しました。この基本計画では、がん予防、がん医療の充実、がんとの共生の三本柱のもと、がんの克服を目指すこととなりました。受動喫煙が原因で死亡する日本人は年間1万5千人を超えると言われ、徹底した受動喫煙防止対策が求められています。従来の健康増進法による努力義務規定を抜本的に見直し、より厳しい、実効性の高い制度を構築すべきです。
  • がん教育の普及も重要です。医師等の外部講師の活用によるがん教育の全国展開に全力を挙げて取り組むべきです。
  • がん医療の充実については、がんゲノム医療や免疫療法など、新たな治療法に期待が高まっており、がん患者一人一人に最も適したがん医療が提供できるよう、我が国のがん研究を強力に推進すべきです。
  • がんとの共生を実現するために、公明党がん対策推進本部が、2015年の提言に傷病手当金制度の見直しを盛り込み、その実現を訴えてきた結果、3月に策定された働き方改革実行計画の工程表に、2021年度までに傷病手当の支給要件等について検討、措置することと明記され、このたびの第三期基本計画にも盛り込まれました。一刻も早く、制度の使い勝手をよくすべきです。また、がんと診断されたときからの緩和ケアを充実するため、引き続き、医療者への緩和ケア研修を推進するとともに、病院の実態調査も継続すべきです。以上、がん対策の強化について、総理の答弁を求めます。
  • 公明党は、全国的な防災・減災、老朽化対策を集中的に支援する防災・減災ニューディールを提唱し、一貫してその取り組みを強力に進めてきました。国土の強靱化とともに、地域経済の活性化を促し、地方創生にも大きく貢献し得る重要な政策であると考えています。近年、我が国では自然災害が激甚化、多発化し、想定を超える被害等も各地で発生しており、国民の命を守る社会インフラの強化は待ったなしです。政府は、水防災意識社会の再構築に向けた取り組みを進めていますが、九州北部豪雨、台風二十一号等の水害、土砂災害を踏まえて、中小河川の氾濫防止や都市部における内水氾濫の対策など、全国各地のインフラ整備に加え、ソフト対策と自助を組み合わせた総合的な対策を着実に進めるべきです。地方自治体が行う対策も、防災・安全交付金を積み増しするなど、強力な支援が必要です。総理の答弁を求めます。
  • 7月の九州北部の豪雨災害で課題となった一つは、中山間地域の集落における防災対策です。高齢者も多く、孤立しやすい地域では、自助、共助の観点から、災害時要配慮者の方々が安全に避難できる避難経路と自主避難場所の事前の確保とともに、日ごろから地域住民同士の連携、確認が極めて重要です。全国各地に同様の中山間地は多く、防災・減災対策の強化は喫緊の課題です。総理の答弁を求めます。
  • 東日本大震災より6年と8カ月がたちました。被災地では、復興は着実に進んでいますが、今なお8万人の方々が避難生活をし、約4万人の方々が仮設住宅での暮らしを余儀なくされています。復興の進展に伴い、被災者、地域のニーズが多様化しています。公明党は、これからも被災者に寄り添い、お一人お一人が人間としての心の復興、人間の復興をなし遂げるまで、二つの風、すなわち風化と風評被害と闘い、復興を加速しなければならないと、決意を新たにしています。
  • 東北の地方創生、経済活性化の起爆剤こそ東北観光復興です。近年の我が国における全国的なインバウンド急増の流れを踏まえて、政府は、2016年を東北観光復興元年と銘打ち、それ以降、さまざまな取り組みを進めています。一方で、福島を初めとする東北の観光は、いまだ根強い風評被害により、依然として多くの課題が残されています。風評被害対策の強化とともに、観光先進地東北実現のための取り組みについて、石井国土交通大臣に答弁を求めます。
  • 福島再生に向けて、本年春には、帰還困難区域を除くほぼ全ての地域で避難指示が解除となりました。帰還される方は高齢者の割合が高いため、介護、福祉、医療等のきめ細かな環境整備と、担い手の確保を急がなくてはなりません。また、そこで働く担い手の人たちがやりがいを持って働き続けていけるような仕組みや環境づくりも重要です。福島の避難解除に伴う介護、福祉等を含めた生活環境整備や担い手確保について、総理の答弁を求めます。
  • 帰還困難区域については、5年後を目指した住民の避難指示解除や居住可能なまちづくりに向けた復興拠点の整備が、双葉町大熊町を皮切りにスタートしました。除染とインフラ整備を着実に進め、やがて帰還される住民の方々が安心と誇りを持って生活できる新しいまちづくりとともに、将来的には浜通りの福島イノベーション・コースト構想と連動した新産業の雇用創出を見据え、新たな住民確保にも全力を挙げて取り組まなければなりません。復興拠点の整備促進について、総理の決意を伺います。

内閣総理大臣安倍晋三君) 井上義久議員にお答え

  • 安倍内閣が進めている政策は、成長と分配の好循環をつくり上げていくというものです。成長し、富を生み出し、それが全国津々浦々の国民に広く均てんされ、多くの人たちがその成長を享受できる社会を実現していきます。政権交代後、アベノミクスによって、極めて短い期間で、デフレではないという状況をつくり出すことができました。特に、雇用は大きく改善しておまた、賃上げは、中小企業を含め、今世紀に入って最も高い水準の賃上げが4年連続で実現し、多くの企業で4年連続のベースアップを実施されております。こうした成果をより広い地域、より多くの人々に届けるため、人手不足に悩む中小・小規模事業者も含め、企業による人材や設備への力強い投資、並びにソサエティー五・〇の実現に向けたイノベーションを促すため、これまでにない大胆な政策を講じていきます。
  • 我が国が直面する最大の課題である少子高齢化の克服に向けて、生産性革命、人づくり革命を車の両輪として断行いたします。2020年を大きな目標に、生産性革命の実現に向けて、人手不足に悩む中小・小規模事業者も含め、企業による人材や設備への力強い投資、並びにソサエティー五・〇の実現に向けたイノベーションを促すため、これまでにない大胆な政策を講じていきます。人づくり革命については、幼児教育の無償化や介護人材の確保などを通じて、社会保障制度を全世代型へ転換するとともに、真に必要な子供たちに限った高等教育無償化など、人への投資を拡充します。これらの政策を力強く進めていくため、消費税率10%への引き上げに伴う増収分などを活用した二兆円規模の政策を取りまとめます。これにより、女性も男性も、お年寄りも若者も、障害や難病のある方も、一度失敗を経験した方も、誰もが生きがいを持って、一人一人がその能力を存分に生かせる一億総活躍社会を、公明党の皆様と力を合わせてつくり上げてまいります。
  • 少子高齢化が進展する中で、社会保障制度の持続可能性の確保と財政健全化を同時に達成する観点から、社会保障と税の一体改革を推進してきたところであります。その上で、足元の経済の成長軌道を確かなものとするために、我が国の最大の課題である少子高齢化の克服に向け、人づくり革命を断行します。子育て、介護といった現役世代が直面するこの二つの大きな不安の解消に大胆に政策資源を投入することで、我が国の社会保障制度を、お年寄りも若者も安心できる全世代型へと大きく改革してまいります。今後とも、世界に誇るべき社会保障制度を次世代に引き渡していく責任を果たすとともに、少子高齢化を乗り越え、我が国を力強く成長させるため、必要な政策を実行してまいります。
  • 消費税の軽減税率制度については、税制抜本改革法に基づく消費税率10%への引き上げに伴う低所得者への配慮として、2019年10月に実施することとされています。
  • 真に必要な子供たちには、高等教育を無償化します。授業料の減免措置の拡充と、給付型奨学金の支給額の大幅増加を検討しています。また、無利子奨学金については、今年度から、低所得世帯の子供に係る成績基準の実質的撤廃や残存適格者の解消を図るとともに、卒業後の所得に応じて返還月額が変わる所得連動返還型奨学金制度を導入したところ。既に返還を開始している方に対しては、減額返還制度の拡充により、返還負担の軽減に取り組んでいます。私立高校の授業料の無償化については、山口代表から申し入れがあり、検討しているところ。また、高校生等奨学給付金のあり方については、今後検討。幼児教育の無償化については、2020年度までに、三歳から五歳までの全ての子供たちの幼稚園、保育園の費用を無償化する、ゼロ歳から二歳児についても所得の低い世帯に対して無償化するとの方針のもとで、現在、具体的な検討を進めているところです。これまでも保育士や幼稚園教諭の処遇改善や労働負担の軽減などの働きやすい環境整備を進めてきている。幼児教育や高等教育の無償化については、与党の提言をいただいた上で、12月上旬に新しい経済政策パッケージを取りまとめてまいります。
  • TPPや日・EU・EPA交渉においては、農林水産分野について、重要五品目を中心に関税撤廃の例外をしっかり確保し、関税割り当てやセーフガード等の措置を獲得しました。これまでも、TPP対策として、産地の国際競争力の強化や農林水産物の輸出拡大などの体質強化対策を実施してまいりました。さらに、今月下旬に改定する総合的TPP関連政策大綱に基づき、2017年度補正予算も含め、農林水産業の強化策等の措置を講じてまいります。
  • 罰則つき時間外労働の上限規制の導入などの働き方改革については、働き方改革実行計画の内容を踏まえ、法案の早期提出を目指します。その際、取引関係の弱い中小企業は、発注企業からの短納期要請や顧客からの要求などに応えようとして長時間労働になりがちです。商慣習の見直しや取引条件の適正化を一層強力に推進します。また、自動車運送業、建設業、医師などについても、それぞれの業界の実態に応じたきめ細かな対応に取り組んでまいります。教員については、業務の効率化、精選や、学校の指導、事務体制の効果的な強化充実などについて検討し、年末までに緊急対策を取りまとめてまいります。
  • がんは、国民の関心が高く、早期発見、早期治療とともに、療養中の生活の質の向上が重要。このため、昨年改正したがん対策基本法に基づき、本年10月に、第三期がん対策推進基本計画を、御党からの御提案を踏まえながら策定。この計画では、がん予防、がん医療の充実及びがんとの共生を三つの柱としております。今後、この計画に基づき、がん教育の全国展開、がんゲノム医療提供体制の構築、傷病手当金制度の見直しの検討を含む治療と仕事の両立支援、医療者に対する緩和ケア研修の普及などの取り組みを通じて、がん対策をさらに推進してまいります。また、2020年に開催される東京オリンピックパラリンピックに向けて、受動喫煙対策を徹底する。
  • 社会全体で水害に備える、河川の氾濫を防ぐ対策とともに、氾濫した場合にも被害を軽減する対策や、地域住民への水害リスクやとるべき避難行動の周知等の総合的な取り組みを、地方自治体と一体となって推進してまいります。また、九州北部豪雨においては、住民と行政が協力して作成し、自主避難場所等も記載した防災マップが減災につながったと言われており、このような取り組みを、中山間地域を含め、全国的に広めていく必要があると考えています。
  • 福島の避難指示解除に伴い、特に高齢者を初め、帰還した住民の皆さんがふるさとで安心して生活できる環境を整備するため、介護サービスや医療の提供体制の確保を図ることが重要な課題です。介護サービスの提供体制を整備するため、避難指示解除区域の介護施設等の安定的な運営の支援に取り組むとともに、介護、福祉の担い手を確保するため、この地域で働くことを希望する方に対する就職準備金の引き上げなどの支援に取り組んでまいります。医療の提供体制についても、被災地域における医療機関の再開支援や医療従事者の養成確保のために必要な予算を確保しています。
  • 帰還困難区域については、将来的に帰還困難区域の全てを避難指示解除し、復興再生に責任を持って取り組むとの決意のもと、まずは復興拠点から、着実かつ段階的に、政府一丸となって、一日も早い復興を目指して取り組んでいく考えです。このため、新たな制度のもと、帰還困難区域に特定復興再生拠点を設け、避難指示解除後の土地利用を想定した整備計画に基づき、除染、解体事業についてもインフラ整備などと一体的に実施することとしています。この特定復興再生拠点の整備に当たっては、町村が計画を作成する段階から、国も前面に立って必要な支援を行ってまいります。あわせて、福島イノベーション・コースト構想を推進することにより、浜通り地域に新しい雇用を生み出し、町村、県、国が一体となって新たなまちづくりを力強く進めてまいります。

石井啓一 (東北の観光復興について回答)

  • 東北地方につきましては、外国人旅行者の延べ宿泊数が、一昨年ようやく震災前の水準に戻ったものの、全国の水準に比較すると、伸び率は必ずしも高くない。このため、昨年を東北観光復興元年といたしまして、2020年に東北6県の外国人延べ宿泊者数を150万人泊とする目標実現に向け、東北観光復興対策交付金を2016年度に創設しております。この中で、地域で実施する滞在コンテンツの充実強化、プロモーションの強化、受け入れ環境整備に対して支援を行っております。また、日本政府観光局による、全世界を対象といたしましたデスティネーションキャンペーンといたしまして、海外の著名人や旅行会社、メディアなどを東北に招いて、東北の魅力を海外に発信し、集中的なプロモーションを実施しているところであります。さらに、福島県における風評被害対策及び震災復興に資する観光関連事業といたしまして、イベント開催等による国内プロモーションや、関係者を福島に招待し実態を見ていただく教育旅行再生事業等に対する支援を行っているところであります。2019年のラグビーワールドカップや、復興五輪と位置づけられる2020年東京オリンピックパラリンピック競技大会の機会も十分活用する。

岡田克也無所属の会

  • 例えば、ティラーソン国務長官が述べている北朝鮮に体制転換は求めないという考えは、日米首脳間の共通認識なのでしょうか。安倍総理自身はどう考えているのでしょうか。また、朝鮮半島有事における6万人の在韓邦人の退避計画について、トランプ大統領との間でどのような議論が行われたのでしょうか。在韓邦人は安心していてよいのでしょうか。
  • 朝鮮半島で軍事衝突が発生した場合の甚大な犠牲は明らかです。先月末の米国の議会調査局報告書では、北朝鮮が通常兵器のみを使用する場合でも、軍事衝突の最初の一日だけで、ソウルで3万から30万人の民間人が死亡するとの想定がなされています。日本が直接の標的となる可能性も高いと言わざるを得ません。先制的な軍事行動は選択肢から排除するようトランプ大統領を説得することこそが、安倍総理、あなたがなすべきことではないですか。全ての選択肢がテーブルの上にあるとのトランプ大統領の立場を一貫して支持していると安倍総理の発言がありますが、余りにも軽率であり、撤回すべきです。安倍総理の答弁を求めます。
  • 先月29日に予定された航空自衛隊観閲式に、核兵器搭載が可能な米空軍B2戦略爆撃機が初参加するとの報道。結局、台風の影響で観閲式そのものが中止となったが、この報道にあるとおり、日米間で調整がなされた事実はあるのでしょうか。
  • 核兵器を持ち込まないという非核三原則をめぐる日本政府のうそは、私が外務大臣のときに行った核密約の調査によって明らかになっています。核兵器が搭載されているか否か、米国政府は決して明らかにしないはずです。朝鮮半島有事において、在日米軍基地から飛び立ったB2戦略爆撃機が核爆弾を投下するということが起こり得る重大問題です。核兵器搭載が可能な戦略爆撃機が日本に飛来することは認めるべきではありません。安倍総理の答弁を求めます。
  • 日本にとって重要な同盟国の大統領であるトランプ氏と、ある程度共同歩調をとることは必要でしょう。しかし、トランプ大統領オバマ前大統領の政策の多くを否定しています。第一に、大統領がかわって、米国の政策が大きく変わったにもかかわらず、変わることなく米国の政策を支持している安倍総理の姿勢は、結局、日本には独自の外交政策が存在しないということなのでしょうか。 第二に、安倍総理が日本外交の基本方針として一時期盛んに唱えた価値観外交、すなわち、自由、民主主義、基本的人権の尊重、法の支配といった普遍的な価値に基づく外交は一体どこに行ったんでしょうか。第三に、米国にひたすら追随する安倍総理の外交姿勢が、国際社会における日本の存在を小さくし、国益を損ねているのではないかと私は強く懸念しています。以上の三点について、総理の答弁を求めます。
  • 日本の少子化、人口減少の根本原因は、未婚化、非婚化にある。1990年に10人に1人だった日本人男性の生涯未婚は、今や4人に1人になっています。人口減少問題のより根本的な原因は、結婚を望みながら経済的な理由で諦めている人が数多くいることです。この点、安倍総理も同様の認識でしょうか。答弁を求めます。生涯未婚が大幅にふえている大きな原因は、雇用が不安定化し、所得が減少していることです。30歳から34歳の男性で結婚している人の割合は、非正規雇用では23.3・%であり、正社員の半分以下です。そういう中、非正規雇用の割合は、1990年の20.2%から、現在は37.5%とほぼ倍増し、特に25歳から34歳の男性は、1990年の3.2%から15.8%へと激増しています。この現実をどう考えているのか、安倍総理の答弁を求めます。
  • 安倍政権が強行した一昨年9月の労働者派遣法の改悪などがその後押しをしてきました。明らかに誤った政策です。より安定した働き方を可能とし、格差を是正することこそが人口減少に歯どめをかけるために抜本策であるとの認識を共有し、大きく政策転換する覚悟があるか、安倍総理の答弁を求めます。
  • 財政健全化問題。し安倍総理のこの問題への対応は先送りの連続であり、極めて不十分です。安倍総理は、消費税増税分の使途変更を財政健全化目標が達成できなくなる理由としています。しかし、それは、その使途変更がなくとも、2020年度のプライマリーバランスは8.3兆円もの赤字になるというのが従来の政府試算です。そして、今後三年間でその赤字を埋める具体策は政府によって何も示されていません。安倍政権の財政健全化目標は、とうに破綻していたのです。そのことを正直に認めるべきと考えますが、安倍総理の答弁を求めます。
  • 財政の健全化は待ったなしです。このままでは、次世代に大きな負担を強いるのみならず、今の世代の社会保障制度の持続可能性すら危ぶまれる状況にあります。一体、いつ新たな財政健全化目標は示されるのでしょうか。その際の目標年限はいつにするのでしょうか。安倍総理の答弁を求めます。
  • 第一に、プライマリーバランス黒字化の目標は必ず残すべきです。
  • 3つ提案する。それぞれについて答弁を求める。第一に、プライマリーバランス黒字化の目標は必ず残すべきです。第二に、歳出削減のさらなる深掘りや税制改革による歳入増を柱とした堅実な財政健全化計画とすべきです。とりわけ、主要歳出項目について、具体的な歳出削減計画の策定が必要不可欠です。第三に、安倍政権で膨張する財政が何とか持ちこたえているのは、日銀の超低金利政策によって国債の利払い費が抑えられているからです。しかし、いつまでもゼロ金利の時代が続けられるわけではありません。名目長期金利が正常化すれば国債の利払い費が急増し、その結果、仮にプライマリーバランス黒字化を達成したとしても、財政収支全体の赤字はさらに拡大するという状況に陥りかねません。新たな財政健全化計画では、低金利による国債の利払い費の抑制分は、歳出増に充てるのではなく、国債発行の減額に充てるという原則を確立すべきです。
  • 安倍総理によく考えていただきたいことを三つ指摘します。第一に、建設的な議論を行うためには十分な時間が必要です。野党の質問時間を大幅に削減するのは大きな間違いです。与党だけではありません。菅官房長官は記者会見で、国会議員が等しく質問できるよう議席数に応じて配分するのは、国民の側から見てもっともな意見だと発言しました。都合のいいときだけ国民を持ち出し、かつ、国会運営に政府が口を出すものです。この官房長官の記者会見発言を安倍総理はどう受けとめているのか。第二に、野党との論戦に当たり、安倍総理には逃げの答弁が目立ちます。国民の疑問に対して正直に説明することがなければ、安倍総理に対する国民の信頼は決して戻りません。安倍総理はこの点をどう考えているのでしょうか。第三に、安倍総理は、民主党政権時代の批判や野党攻撃が得意です。時には、野党議員に向かってやじられることもあります。しかし、野党の主張にも謙虚に耳を傾け、敬意を払い、よい提案については取り入れる度量の広さを歴代総理大臣は示してきました。私は、安倍総理にその姿勢が決定的に欠けていると思います。国会における建設的な議論を拒否しているのは安倍総理ではありませんか。

内閣総理大臣安倍晋三君) 岡田克也議員にお答え

  • 北朝鮮の挑発に屈することなく、毅然とした外交を通じて、北朝鮮の政策を変えさせるとの覚悟で取り組んでおります。もとより政府として、他の国、地域の体制を力により転換することを目標として掲げたことはありません。米国の今後の対応を予断することは差し控えますが、日米間で、北朝鮮問題への対応に関し緊密に連携してまいります。
  • 邦人の退避と保護について、米国とは、日米防衛協力のための指針も踏まえ協力を進めてきています。
  • 我が国は、全ての選択肢がテーブルの上にあるとのトランプ大統領の立場を一貫して支持しており、それは今も変わりありません。北朝鮮に政策を変えさせるため、日米で協力して、あらゆる手段を使って圧力を最大限にし、北朝鮮から対話を求めてくる状況をつくっていくことが必要です。
  • 米軍のB2爆撃機の航空観閲式への参加及び非核三原則について。航空観閲式においては、自衛隊機に加え、同盟国の米軍機も参加するのが通例です。B2爆撃機の参加を含め、日米間で緊密に連携して調整していた。また、B2爆撃機の航空観閲式への参加調整に際しては、米側に対し、航空ショーにおける上空飛行を行う航空機は武装していないということを確認しています。政府としては、非核三原則を国是として堅持しており、これを見直すことは全く考えておりません。
  • 米国の大統領が交代しても、強固な日米同盟と米国のアジア太平洋へのコミットメントは不変です。我が国は一貫して米国のこの姿勢を強く支持しており、これは、まさに日本外交の礎がぶれないことを示すもの。トランプ大統領訪日の際には、かねてより日本が提唱している、自由で開かれたインド太平洋戦略を日米で協力して進めることで一致。
  • 非正規雇用を取り巻く雇用環境については、不本意ながら非正規の職についている方の割合は前年に比べて低下し続けている、働き盛りの55歳未満では、2013年から19四半期連続で、非正規から正規に移動する方が正規から非正規になる方を上回っているなど、着実に改善をしています。非正規から正規への転換などを行う事業主へのキャリアアップ助成金などを通じ、今後も正社員転換をより一層進めてまいります。また、同一労働同一賃金の実現、長時間労働の是正など、働き方改革に取り組んでまいります。
  • 再来年10月に引き上げが予定される消費税の使い道を見直し、子育て世代、子供たちに大胆に投資してまいります。
  • 先般の労働者派遣法改正は、派遣労働者の雇用安定とキャリアアップ、均衡待遇措置の強化などを内容とするものであり、改悪とは考えておりません。
  • 政府は、消費税率引き上げ分の使い道を見直し、子育て世代、子供たちに大胆に投資をするとともに、社会保障の安定化にもバランスよく充当することとしております。これにより、プライマリーバランスの黒字化の達成時期に影響が出ることから、2020年度のプライマリーバランスの黒字化は困難となります。ただし、財政健全化の旗は決しておろさず、プライマリーバランスの黒字化を目指すという目標自体はしっかりと堅持してまいります。この目標の達成に向け、これまでの経済・財政一体改革の取り組みを精査した上で、プライマリーバランスの黒字化の達成時期、そして、その裏づけとなる具体的かつ実効性の高い計画をお示ししてまいります。
  • 御指摘の官房長官の発言は、国会がお決めになることを前提とした上で、あくまで一般論として述べたものであると承知しております。私も、内閣総理大臣の立場でこれ以上のコメントは差し控えます。
  • 国会における審議については、国民の皆様がそのやりとりを見詰めており、私も含めて全ての国会議員が国民の負託に応えられるような真摯で建設的な議論を行うべきと考えております。ぜひ、無所属の会の皆さんとも、正々堂々、建設的な議論を行わせていただきたいと考えておりますので、よろしくお願いを申し上げます。

志位和夫日本共産党

  • 森友疑惑。なぜ国民の財産である国有地が8億円も値引きされたのか。売却に直接かかわった財務省職員と森友学園側とのやりとりを記録した音声データには、地下深くまでごみがあったことにして売却価格を引き下げるというシナリオを財務省職員の側から提案していたことが記録されています。籠池氏は国会で、神風が吹いたと証言しましたが、神風が吹き出した時期と安倍昭恵夫人が名誉校長に就任した時期が重なっているのは、到底偶然とは考えられません。売却に直接かかわった財務省職員と、売却交渉のときの名誉校長であった昭恵夫人に国会に来ていただき、直接話法で真実を語ってもらうことが必要であると考えますが、総理の見解を問うものであります。
  • 加計疑惑。加計学園理事長の親友である総理の関与によって、獣医学部新設に特別の便宜が図られたのではないかというところにあります。総理は、関与したと言った方は一人もいないと述べ、みずからの関与を強く否定。しかし、獣医学部の新設が国家戦略特区に認定される過程で、総理の御意向とか、官邸の最高レベルが言っているなどと記載された文書が文科省内で交わされ、圧力として働いたことは紛れもない事実。総理がみずからの関与を否定するなら、総理の名をかたって関与した人物が別にいるということになります。その人物を明らかにして、断固とした処置をとる意思はありますか。
  • 総理は、加計氏から獣医学部新設の話をされたことはないと言います。しかし、加計孝太郎氏は、特区に獣医学部の新設を認める山場の時期に、当時の農水大臣、文科大臣、地方創生大臣に相次いで面会し、獣医学部新設の話をしています。民間の一学園理事長である加計氏が三人の大臣と直接面談すること自体が極めて異例が、そのときに、加計氏が腹心の友である総理の名をかたって、行政への働きかけを行った事実はありませんか。その究明のためにも、加計孝太郎氏の国会招致は不可欠だと考えますが、総理の見解を求めます。
  • 北朝鮮問題。総理の姿勢に二つの大きな問題点がある。第一は、総理が、対話のための対話は意味がないと、対話否定論を繰り返し述べていることであります。現在の最大の危機は、米朝の軍事的緊張が高まるもとで、偶発的な事態や誤算から軍事衝突が起き、戦争に発展することにあります。この危機を回避し、打開するためにも、米朝が直接対話に踏み切ることが必要だと考えますが、いかがですか。経済制裁強化と一体に、対話による平和的解決を図ることこそ唯一の解決策であり、日本政府はそのためのイニシアチブを発揮すべきではありませんか。第二は、総理が、全ての選択肢はテーブルの上にあるという米国政府の立場を支持すると繰り返していることです。ここで言う選択肢の中には、米国による先制的な軍事力行使が含まれていることは明瞭です。万一、米国が先制攻撃に踏み切ったら、何十万、何百万もの人命が最初の数日間の戦闘で失われるという強い警告がされています。こうした危険な道にあらかじめ支持を与えるなど、言語道断であります。米国政府に対して、先制的な軍事力行使は絶対にやるべきではないと提起すべきではありませんか。総理の答弁を求めます。
  • 選挙の翌日、日本経団連の榊原会長は、安倍政権には、国民の痛みを伴う改革にも取り組んでもらいたいとして、計画どおりの消費増税の実行と社会保障制度の改革に勇気を持って取り組めと求めました。この号令に呼応するように、財務省の財政制度審議会、内閣府経済財政諮問会議で、相次いで社会保障改革の案が出されました。その内容は、医療、介護、生活保護など、社会保障のあらゆる分野で給付削減の大なたを振るおうというものです。介護では、要介護一、二の在宅サービスを介護保険の給付から外すことが提案されています。安倍政権のもとで、既に要支援一、二の176万人の在宅サービスが保険給付から外されています。この上、要介護一、二の240万人のサービスまで保険給付から外したら、要支援、要介護と認定されている人の実に65%が保険給付の枠外に置かれてしまいます。高い保険料を払って要支援、要介護と認定されても、6割以上の人がサービスを受けられない。こうした制度改変で大変困るのは、介護が必要な家族を持つ現役世代であります。介護離職は10年間で105万人に上ります。総理は介護離職ゼロを掲げておられますが、6割以上の人から保険給付を取り上げて、どうして介護離職ゼロになりますか。生活保護では、子供のいる世帯を狙い撃ちにした切り下げが検討されています。母子加算を初め、子育て世代に支給される各種加算を軒並み切り下げ、生活扶助費の本体についても、子供の多い世帯ほど厳しく削減していくというのが政府の方針です。これが実行されれば、子だくさんの貧困家庭に事実上のペナルティーを科すことになります。総理は、少子高齢化を克服する、貧困の連鎖を断ち切ると言われますが、やろうとしていることは全く逆のことではありませんか。総理は、総選挙で、社会保障制度を全世代型に転換すると公約しましたが、選挙が終わってやろうとしていることは、全世代に対する社会保障切り捨てにほかなりません。こうした姿勢を根本から改め、社会保障拡充への政策転換を図ることを強く求めるものであります。
  • 経団連がもう一つ、要求しているのが、計画どおりの消費増税の実行であります。大なことは、経団連が消費税増税法人税実効税率の25%への引き下げとセットで要求していることです。既に安倍政権のもとで、4兆円の法人税減税、大企業減税のばらまきが行われましたが、さらに2兆円を超える法人税減税を求めているのです。総理、国民には社会保障削減と大増税の激痛を押しつけながら、自分の税負担はひたすら軽くしてくれというこの財界の要求は余りに身勝手だと考えませんか。消費税10%への大増税は中止し、増税するなら、富裕層と大企業に応分の負担を求める税制改革こそ実行すべきであります。明確な答弁を求めます。
  • 総選挙では、沖縄の4つの小選挙区のうち、一、二、三区の三つで、辺野古新基地に反対するオール沖縄の候補者が勝利しました。新基地建設に反対する沖縄県民の民意がはっきり示された結果であることは明らかであります。ところが、政府は、そのわずか二週間後に、新たな護岸工事の建設に着手。総選挙で沖縄県民が新基地建設反対の審判を下したという事実をあなたはお認めにならないのですか。政府の暴挙は、沖縄には民主主義は適用しないという宣言に等しいものだと考えますが、いかがですか。
  • 米軍ヘリが炎上、大破した事故が住民の生活する民有地で起こったのに、日本の警察は立入調査すらできませんでした。機体の一部に放射性物質が使われていたにもかかわらず、十分な調査ができませんでした。昨年のオスプレイ墜落事故のときにも、海上保安庁は原因究明に関与することができませんでした。これで独立した主権国家と言えますか。日米地位協定の抜本見直しが必要だと考えますが、いかがですか。
  • 総理は、憲法9条の1項、2項は残しつつ、自衛隊を明文で書き込む憲法改定を主張しておられます。総理は、ただ存在する自衛隊を書くだけで、何も変わらないと言いますが、とんでもありません。極めて重大な問題が生まれてきます。法律の世界では、後からつくった法律は前の法律に優先する、このことが一般原則とされています。ですから、仮に9条2項が残されたとしても、後からつくった条項で自衛隊が明記されれば、こちらが優先され、9条2項の空文化、死文化に道を開くことになるのではありませんか。そうなれば、9条2項によってできないとされてきた武力行使を目的にした海外派兵や集団的自衛権の全面的発動が可能となり、海外での武力行使が無制限になるのではありませんか。こうした大改悪には我が党は断固反対であります。
  • 総理に憲法改定を語る資格があるでしょうか。安保法制、秘密法、共謀罪、どれもこれもが憲法違反の法律を数の暴力で通してきた。野党が憲法53条に基づいて臨時国会召集を要求しても、3カ月も放置したあげく、冒頭解散を強行しました。憲法を守らない総理に憲法を変える資格などありません。今、日本に求められているのは、憲法を変えることではなく、憲法をきちんと守る政治を取り戻すことだということを訴えて、私の質問を終わります。

内閣総理大臣安倍晋三君) 志位和夫議員にお答え。

  • 森友学園への国有地の売却における当事者間でのやりとりについては、現在捜査が行われており、捜査の場及びその後の司法の場において明らかになっていくことだろうと思います。私自身、国会において丁寧な説明を積み重ねてまいりました。
  • 私は、国家戦略特区における獣医学部新設とについて、具体的に指示したり働きかけをしたことは、一度もありません。他方、岩盤規制改革を全体としてスピード感を持って進めるよう常々指示してきたところであり、担当大臣のリーダーシップのもと、節目節目で関係大臣の間に異論がないことを確認し、合意の上で適正に進められてきたもの。こうしたプロセスについては、特区の民間有識者も一点の曇りもないと述べているところであり、関係者の処分といった御指摘は当たりません。
  • 加計理事長と各大臣との面会においては、御指摘のような事実はなかった旨、既に政府として答弁しているとおりであります。先般の閉会中審査において、関係大臣を初め誰一人として私から国家戦略特区における獣医学部新設につき指示を受けなかったことが明らかになったところであり、そのことが、今回の行政プロセスを評価するに当たり、最も重要なポイントであると考えております。
  • 非核化に向けた対話を拒否しているのは北朝鮮です。北朝鮮に政策を変えさせるため、あらゆる手段を使って北朝鮮に対する圧力を最大限にし、北朝鮮の方から対話を求めてくる状況をつくっていくことが必要です。
  • 軽度の要介護者に対する生活援助サービス等については、経済・財政再生計画改革工程表に沿って、高齢者の自立支援等の観点から、引き続き検討を行ってまいります。要支援の方がサービスを受けられないとの御指摘ですが、2014年の介護保険法改正では、要支援の方を引き続き介護保険の地域支援事業の対象として、市町村が必要なサービスを地域の実情に応じて効果的かつ効率的に提供できるよう仕組みを見直したもの。
  • 介護離職ゼロに向けて、2020年代初頭までに50万人分の介護の受け皿を整備します。他の産業との賃金格差をなくしていくため、介護人材のさらなる処遇改善を進めてまいります。
  • 生活保護基準については、最低限度の生活を保障する観点から、低所得世帯の消費水準と均衡がとれる適正な水準となるよう、現在、専門的かつ客観的な検証を行っているところです。その中で、子供がいる家庭については、貧困の連鎖を防ぐ観点から、子供の健全育成に必要な費用の範囲や水準について検討を行ってまいります。
  • 社会保障に関しては、少子高齢化が進行する中で、社会保障費の伸びが引き続き見込まれます。そうした中で、持続可能な社会保障制度を構築するために、医療や介護などの給付と負担を見直しつつ、社会保障・税一体改革やニッポン一億総活躍プランに掲げた充実を図ってきたところです。さらに、今般、現役世代が直面する子育て、介護という二つの大きな不安の解消に大胆に政策資源を投入することで、我が国の社会保障制度を全世代型へと大きく転換していく方針であり、全世代に対する社会保障切り捨てとの御指摘は、これも当たりません。
  • 消費税率の10%への引き上げに当たっては、中止することはありません。使い道の見直しによって、我が国の社会保障制度をお年寄りも若者も安心できる全世代型へと大きく改革してまいります。
  • 安倍政権において取り組んできた成長志向の法人税改革は、租税特別措置の縮減、廃止等による課税ベース拡大により財源をしっかり確保しつつ行ってきたものであります。また、税制の再分配機能の回復を図るため、所得税最高税率の引き上げ等を講じてきたところです。
  • 沖縄県におけるさきの総選挙の結果については真摯に受けとめています。普天間飛行場の固定化は絶対に避けなければならないということであります。普天間辺野古への移設は、沖縄県と合意した和解の内容と最高裁判所の判決に従って進めているものです。
  • 米軍のCH53Eヘリの事故に際しては、防衛省沖縄県警察及び沖縄県の関係者等も現場に立ち入り、状況を確認するとともに、放射能調査を実施し、一般的な環境と比べて差異はないことを確認しています。また、昨年のオスプレイ不時着水事故については、海上保安庁において所要の捜査を行っています。
  • 米軍機の飛行安全の確保は、米軍が我が国に駐留する上での大前提です。政府としては、引き続き、米側に対し、安全面に最大限配慮するとともに、地元住民への影響を最小限にとどめるよう強く求めてまいります。
  • 日米地位協定は大きな法的枠組みであり、政府として、事案に応じて最も適切な取り組みを通じ、一つ一つの具体的な問題に対応してきています。安倍政権のもとでは、二つの補足協定の作成が、日米地位協定締結から半世紀を経て初めて実現しました。
  • 憲法改正の内容については、私は、今、内閣総理大臣として答弁しており、自民党が検討している改正案についてこの場でお答えすることは差し控えさせていただきたいと思いますが、その上で、自衛隊の存在が憲法に明記されることによって自衛隊の任務や権限に変更が生じることはないものと考えており、これは1項、2項を残すという私の提案を前提に申し上げておるところでございます。

馬場伸幸日本維新の会

  • 現在の日本は、明治維新のときに設計された、人口が右肩上がりで増加し、経済が成長し、税収がどんどん上がっていくという前提で考えられた全ての行政制度は、その前提条件が崩れ、疲弊しています。さらに、どの分野も現状の日本に適合している状態とは言えず、閉塞感が漂っています。国民は、現役時代は普通に働けば普通に暮らしていける、そして、現役を退けば、第二の人生は何の不安や心配もなく暮らしていける、そういう社会や制度を望んでいます。そのためには、坂本龍馬の言葉をかりれば、日本をいま一度洗濯いたし候を行う必要があります。これからの百年先、百五十年先の日本を想像しながら、今こそ日本大改革を行うときであります。一強政権、安定政権だからこそできる大改革を総理主導のもとで行ってほしい、それが衆議院選挙で示された本当の民意であると考えます。我々日本維新の会も、その名のとおり、「維れ新たなり」という発想で建設的な議論をこれからも行っていくことを約束します。
  • 安倍総理は、さきの衆議院解散を国難突破解散と名づけました。そうした国難を招いたのは一体誰の責任なのでしょうか。長年政権を担ってきた自民党の不作為の結果なのではないでしょうか。国難ではなく怠慢です。国難とあおってみても何も生まれない、むしろ、なすべきことはわかっているのですから、タブーを恐れず、覚悟を持って実行に移していくべきです。
  • あえて国難という言葉に意味があるとすれば、安倍政権になって国民負担率が2.7%ふえた、国民にとっては災難。国民の収入のうち、税金の負担率と社会保障負担率を合計したいわゆる国民負担率は、第二次安倍政権になる直前の2014年には39.7%でしたが、2017年には42.5%にはね上がりました。国民負担率の増大をどう認識されていますか。また、負担率を上げるその前にやるべきことがあるのではないでしょうか。
  • アベノミクスは失敗した、国民が好景気を実感できないと言われていますが、知らぬ間に負担だけがふえれば、実感できないのも当たり前です。さらに、二年後には消費増税が予定されています。政治家だけが議員特権を拡大し、国民の負担は確実に増大する、これこそ国難ではないでしょうか。
  • 国会議員の議員年金は1999年に廃止され、地方議員年金は、積立金が枯渇して制度が破綻する見込みとなり、2011年6月に廃止。しかし、自民党を中心に、地方議員年金にかわる新たな公的年金制度を求める動きがあります。先日、自民党幹部は、元国会議員生活保護を受けたりホームレスになったりする方もいると聞いているとし、議員年金の復活を示唆。一方、廃止された地方議員年金の既存支給者への給付は現在も続いており、完全廃止まで今後50年間、自治体は負担を負い続けます。総務省の試算によれば、公費負担累積額が1兆1400億円にも上ります。自治体はこれだけの負の遺産を背負わされています。その上に、地方議員の公的年金制度を復活させるというのは、とんでもない話です。日本維新の会は、地方議員の新たな公的年金制度には徹底的に反対します。また、国会議員年金の復活にも徹底的に反対をします。
  • 非常勤で兼業が許される地方議員の立場を考えた上で、新たな公的年金制度が必要なのかどうか。また、国民の中には、国民年金のみで生活をされている方々が少なからずいらっしゃいます。元国会議員国民年金では生活できないということであれば、国民年金制度自体を根本的に見直すことが優先されるべきです。国会議員、地方議員年金を復活させることについて、総理の所見をお伺いいたします。
  • 高等学校無償化に関して。財源について、安倍総理は消費増税を活用すると明言されました。大阪府では、6年前の2011年から、私立を含めた高校の実質無償化を実現。そして、その財源は、身を切る改革・行財政改革で、財源を捻出し、府民の新たな負担なしに実現。大阪市守口市門真市でも、新たな負担なしに幼稚園や保育園の無償化を実現。総理、この大阪での、国民に新しい負担を負わせず教育の無償化を次々と実現していることをどう評価していますか。国においても、徹底的な行財政改革によって財源を捻出し、増税を行わずに教育無償化を実現できると考えますが、総理の所見をお伺いいたします。
  • サンフランシスコ市セント・メリーズ公園の私有地に民間団体が設置した慰安婦像と碑文がありますが、展示スペースごとサンフランシスコに寄贈され、11月14日に同市議会が寄贈の受け入れを議決しました。姉妹都市である大阪市の吉村洋文市長は、ハガティ駐日大使やリー・サンフランシスコ市長に、書簡を通じて、寄贈を受け入れれば慰安婦像と碑文の内容を同市の意思とみなさざるを得なくなると、姉妹都市関係の解消も視野に、慰安婦像の受け入れ撤回を強く求めてきました。碑文には、史実ではない適切な表現が含まれています。この問題は、本来、日本政府が解決すべき外交問題です。リー市長が拒否権を行使しなければ、今月24日には慰安婦像と碑文が公共物になってしまいます。菅官房長官は、この問題に関し、11月6日の記者会見で、極めて残念と述べました。自民党の二階幹事長も17日の記者会見で不快感を示し、これからは慰安婦問題について渡米時には必ず意見を申し述べてくると述べました。サンフランシスコ市への慰安婦像の寄贈問題を安倍総理はどう捉まえていますか。大阪維新の会大阪市会議員団は、11月17日、河野太郎外務大臣に、サンフランシスコにおける慰安婦像設置及び慰安婦の日制定について、その撤回等を求める要望書を提出しました。そして、慰安婦にまつわる諸問題は、朝日新聞を初めとする報道機関や一部のジャーナリストによる捏造であった事実をサンフランシスコにはっきり伝え、そのことの普及啓発に努めるよう要望しました。しかし、時既に遅しです。大阪市会は、ことしの5月と9月にも、慰安婦像設置を撤回するようサンフランシスコ市議会に求める決議を行おうとしましたが、市議自民党が反対し、二回とも否決されました。維新の大阪市会議員団が河野外務大臣に要望せざるを得なかったのは、大阪市会で否決されたためです。大阪市におけるこうした自民党の行動は国益に反するものと断じざるを得ませんが、安倍総理自民党総裁としてどう受けとめられますか。
  • ギャンブル依存症は、ギャンブルにのめり込むことによる多重債務、貧困、虐待といった重大な社会問題を引き起こしています。対策には、発症、進行、再発の各段階に応じたものが必要です。また、アルコールや薬物などの依存症と合併しているケースもあります。ギャンブル依存症の関係者会議をつくって、有益な意見と実績を持つNPOにも参加をお願いすることを考えています。依存症患者本人とそれを支える家族も苦しんでいます。総理はどうお考えですか。
  • 2025年国際博覧会に関して伺います。大阪・関西は、大阪湾岸の夢洲に万博を誘致すべく立候補しました。テーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」。日本経済が東京一極集中に進む中、東京以外の経済成長の拠点をつくるためにも重要なイベントです。大阪・関西の万国博覧会の誘致は、オール・ジャパン体制で臨まなければなりません。誘致をかち取るため、総理の決意を改めて伺います。

内閣総理大臣安倍晋三君)、馬場伸幸議員にお答え

  • 少子高齢化が進み、社会保障費が増大する中、消費税率の引き上げを含め、社会保障と税の一体改革を進めてきた。このため、国民負担率は上昇。国民の負担を適正で負担可能な範囲にとどめ、今後とも、国民の活力を損なわないことに留意しつつ、社会保障の改革を含め、徹底的な重点化、効率化など、歳出削減に取り組んでまいります。
  • 地方議員の厚生年金への加入については、国民の幅広い政治参加や、地方議会における人材確保の観点から必要との考え方もありますが、他方、保険料の公費負担などの課題もあります。この問題は、地方議員の身分の根幹にかかわることであり、国民の皆様の声や議員の声もよく聞きながら、各党各会派において検討がなされる必要がある。国会議員の議員年金についても、同様。
  • 大阪の取り組みについては、大阪の実情を踏まえた意欲的な取り組みであると評価したいと思います。安倍内閣では、経済再生なくして財政健全化なしとの基本方針のもと、アベノミクスを進めることで財政健全化に大きな道筋をつけてきました。国、地方を合わせた税収は約22兆円増加し、新規国債発行額も約10兆円減っています。また、例えば社会保障関係費の伸びを三年連続で実質5千億円以下に抑制するなど、歳出削減努力を続けてきたところである。行政改革についても、これまでも行政事業レビューなどの取り組みを進めてきたところ。他方、大きな改革には大きな財源が必要になります。財源がないままでは、改革の中身それ自体が小さくなるおそれがあります。
  • 大阪市議会自民党の活動については詳細は承知していませんが、慰安婦像のサンフランシスコ市への寄贈は、我が国政府の立場と相入れない極めて遺憾なことであると考えています。政府としては、サンフランシスコ市長に対して、24日までに拒否権を行使するよう申し入れを行いました。
  • 政府では、ギャンブル依存症対策について、本年8月に強化策を取りまとめました。
  • 国際博覧会の国家への誘致は、日本の魅力を世界に発信する絶好の機会となります。開催地のみならず、我が国各地を訪れる観光客が増大し、地域経済が活性化する起爆剤になると考えます。先週開催されたBIE総会における日本のプレゼンテーションでは、私みずからビデオメッセージを流すなど、オール・ジャパンの体制で取り組んでいることを強く発信し、各地から高い関心が示されたと聞いております。これまでも、私自身が各国の首脳に対し、直接、大阪・関西での万博開催への支持を要請してまいりました。

第195回本会議第5回(2017/11/20)

枝野幸男立憲民主党代表)

  • バブル崩壊以降、自由競争、規制緩和、自己責任、こうした言葉が、政治の側からも含めて、繰り返し語られるようになりました。結果として、行き過ぎた競争が過酷な労働環境につながり、過労自殺やスキーツアーバスの事故など、悲惨な事態を招いています。格差の拡大と自己責任に名をかりたエゴイズムが、社会を分断して、ヘイトスピーチという深刻な問題まで生んでいます。
  • 競争だけでは、社会は回らず、経済も発展しません。公正で公平なルールがあり、そのルールが守られている中で競争する。だからこそ、社会は安定し、発展します。誰がその公平公正なルールをつくり、守らせるのか。まさに政治の役割です。
  • 今は勝ち組で、自分の力だけで生きていると思っている人でも、いつ不慮の病気や事故に見舞われるかわかりません。政治は、そのときのためにあります。自己責任を過度に強調してあおるとしたら、それは政治の責任放棄です。
  • 豊かさを社会全体で公正に分かち合い、将来の不安を小さくしていくことでこそ、社会の活力を生み出します。一人一人の違いを互いに認め合うことでそれぞれの持ち味が発揮される、そんな社会を築き上げます。こうした社会をつくることで多くの人が幸せを実感できる。私は、そう信じています。
  • バブル崩壊以降、長期にわたる経済の閉塞状況の原因は、国民の所得を削り、中間層を激減させたことによる個人消費の低迷にあります。消費性向は、所得が高いほど低い。中間層が減って、その分貧困層がふえれば、購買力がないために消費は減少します。高所得者がわずかばかりふえ、さらに豊かになっても、限界消費性向が低いために、消費の大きな拡大にはつながりません。消費性向の高い、所得の低い人から所得の底上げを図る。そのことで消費を喚起できます。苦しい中で頑張っている人を支えるという社会政策的観点だけではありません。消費不況を脱出し、経済と社会を活性化させるために、私たちは、分厚い中間層を取り戻すという草の根からの経済再生を進めてまいります。
  • 待機児童の問題が深刻です。介護サービスも不足しています。背景には、低賃金による保育士や介護職員の人手不足。賃金も含めて、価格は需要と供給のバランスで決まるのが資本主義。需要に対して供給が大幅に不足している保育士や介護職員などの賃金は、大幅に引き上がるのが当然。私たちは、限られた公的な予算、財源を、こうした分野の人件費に最優先で回すことを強く求めます。
  • 低賃金だった介護職員や保育士の給料が上がれば、それが消費に回って、内需拡大にもつながります。出生率の上昇も、結果的に消費を拡大させます。老後の安心が高まれば、老後のための蓄えが消費へ回る可能性が出てきます。景気対策としても有効なのです。
  • 災害復旧や老朽化設備の補修など、公共事業の中にも急ぐべきものが確かにあります。しかし、優先順位の低い公共事業については、それを我慢してでも、介護職員や保育士など、低賃金であるために人手不足の公的サービス分野、この分野での賃金引き上げを急ぐべきであります。
  • 幼児教育の無償化は、社会全体で子供の育ちを支援するという観点から、私たちも賛成です。
  • 大切なのは、全ての子供がひとしく対象であるということであります。親の年収や施設の種類で限定や差異をつけるべきではありません。所信表明でおっしゃった、全ての子供たちというのは、限定や差異なく無償化するとしか受け取れませんが、総理に確認をいたします。
  • 待機児童問題が解消されないままに無償化を進めれば、保育所に入れない人が無償化の恩恵も受けられないという二重の不利益をこうむることになります。待機児童問題の解決こそが先行すべきであり、そのためにも保育士の賃金引き上げを急ぐべきです。所信表明では、2020年までに32万人分の受け皿整備を進めるとしています。しかし、本当にこれで待機児童問題が解消するとは思えません。また、具体的にどのような手段で受け皿整備を進めるのでしょうか。
  • 高等教育の無償化に関して、いわゆる出世払い方式の奨学金を導入しようとしているとの報道があります。しかし、出世払いにしても、借金であることには変わりありません。大学の授業料や入学金は大幅に上昇しており、借り入れを要する奨学金の額そのものが大きくなっています。無償化の対象を恣意的に選別するとの動きも伝えられています。本当に、恣意的な選別なく、真の無償化が進むのか。その具体策について、総理にお尋ねをいたします。
  • 格差が拡大をしている背景には、労働法制の行き過ぎた緩和があります。いつ首になるかわからない非正規などで、年収200万円以下の方が1100万人。その結果、結婚して、家庭を持って、子供を産み育てて、そんな夢すら持てない若者が少なからず生まれています。これでは、社会の活力が生まれるはずもなく、消費低迷や人口減少に歯どめがかかるとも思えません。
  • この国にはサービス残業というおかしな言葉があります。残業代を支払わなければ、明白な違法行為、違法残業です。働き方改革を言うならば、まずは今の労働法制を厳しく守らせることが前提です。サービス残業という違法行為をやめさせ、過労死や過労自殺を根絶させるべきです。違法残業がまかり通っている中で、残業代を払わない方向での法改正、いわゆる残業代ゼロ法案を進めるのは、全く方向が逆です。働いたらその分だけきちっと給料がもらえる、真っ当な仕組みをつくりましょう。希望すれば正社員で働けるという、三十年前には当たり前だった真っ当な社会を、私たちは粘り強く求めていきます。正社員として働ける方向へ、かつての民主党政権は労働契約法を改正しました。期間従業員などが同じ会社で通算五年を超えて働いた場合、無期雇用に転換できるという五年ルールの導入です。ところが、この適用を受けないよう、社内ルールを変更した大手企業の存在が明らかになりました。制度の趣旨を骨抜きにするようなルール変更に対して、政府は厳しく指導すべきと考えますが、総理の見解をお尋ねします。
  • 社会の下支えと底上げには、地方の活力を取り戻すことが不可欠です。それぞれの持ち味を生かし、地方の活力を引き出す上で、地方の自由度がより高い一括交付金を復活させるべきと考えます。総理の見解を求めます。
  • 米に対する所得補償金を2018年から廃止。稲作農家からは不安の声。私たちは、地域社会と食料安全保障、そして水や緑などを守っている農業の多面的機能を重視し、農業者戸別所得補償制度の法制化、恒久化を目指しています。この制度に対する総理の見解を求めます。
  • 人口が減少する社会において、社会の活力を維持するには、一人一人の個性を生かし、持ち味を発揮する多様性こそが重要です。多様性は、一人一人の人権の問題であると同時に、社会の活力の源です。そのためにも、夫婦別姓を選択できるよう法改正を急ぐべきと考えますが、総理の見解をお聞かせください。
  • 民間の調査によれば、日本におけるLGBT当事者は、13人に1人。こうした皆さんの人生を守り、全ての人がその性的指向性自認によって差別されることのない社会をつくるため、私たちは、LGBT差別解消法の制定を目指します。総理の見解を求めます。
  • 手話言語法の制定を急ぐべきだと考えますが、総理の認識をお聞かせください。
  • 日本銀行が掲げたインフレ目標は、5年近くがたっても、いまだに到達できていません。輸出数量も、当初の見込みとは異なり、ふえていません。ゼロ金利のもとではマネタリーベースをふやしても物価は上昇しない、このことが明らかになっていると考えますが、総理の見解を伺います。
  • 政府は、カジノを成長戦略と位置づけているようですが、本気でしょうか。カジノ解禁は、ギャンブル依存症を拡大させます。依存症は、当事者や家族にとってだけでなく、膨大な社会的コストを生じさせ、経済にもマイナスです。総理の見解を伺います。
  • ギャンブル依存症を防止し、依存症からの脱却を支援するのが重要。私たちは、ギャンブル依存症対策基本法案を準備しています。これについての総理の見解もお尋ねします。
  • 憲法というルールが選挙などの手続を定め、そのルールに基づいて選ばれているからこそ、立法権や行政権をお預かりしています。預かっている権力の範囲も、根拠となっている憲法というルールで制約されます。いかなる権力も憲法によって制約される。
  • いわゆる安保法制、集団的自衛権は、立憲主義の観点から、決して許されません。
  • 集団的自衛権の行使は憲法違反だ。日本が攻められたときは、個別的自衛権で日本を守る。しかし、日本が攻められていないのに、外国のお手伝いでは戦争はしない。歴代自民党政権みずからが決めてきた解釈です。それを、論理的整合性も全くない中でひっくり返したのです。
  • 安保法制を前提としながら自衛隊憲法に明記したら、立憲主義違反を事後的、なし崩し的に追認することになり、到底認められません。
  • 今のまま自衛隊を明記すれば、地球の裏側まで行って戦争ができることになり、これは、自衛隊という名の軍隊を認めることにほかなりません。専守防衛から大きく逸脱し、日本国憲法の平和主義は換骨奪胎されます。
  • 立憲主義に基づき、権力を適切に拘束する方向での憲法議論は積極的に進めます。今、議論が必要なのは、解散権の制約や、臨時国会召集義務に関する期限の設定、知る権利の拡大などであります。
  • 立憲民主党は、専守防衛に徹する自衛隊や個別的自衛権の行使について、合憲であるとの立場です。領域警備法の制定と憲法の枠内での周辺事態法強化によって、主権を守り、専守防衛を軸とする現実的な安全保障政策を推進すべきと考えます。両案に対する総理の見解を伺います。
  • 日米安全保障条約は日本と東アジアの平和と安定に不可欠であり、日米同盟は健全に強化、発展させるべきです。健全な同盟関係であるならば、言うべきことをしっかりと伝えることが重要です。過日の首脳会談において、パリ協定の離脱について、トランプ大統領から何らかの説明はあったのでしょうか。また、総理の側から離脱を思いとどまるよう説得はしたのでしょうか。お尋ねします。
  • 沖縄では、また米兵の飲酒死亡事故が生じました。沖縄の米軍基地問題については、日米同盟の健全な発展という観点からも、沖縄の民意に寄り添った対応が必要です。立憲民主党は、これまでの経緯と状況をゼロベースで検証してまいります。
  • 日中関係について、過日の首脳会談でさまざまな意見交換がなされたことは率直に評価します。一方で、中国に対しては、尖閣諸島周辺での公船の活動や南シナ海での力による現状変更など、厳しく対応していく必要もあります。
  • 日中での防衛当局間による海空連絡メカニズムの進捗状況について、総理の説明を求めます。また、東シナ海での日中資源共同開発に関する合意の履行状況とその見通しについてもお尋ねします。
  • 北朝鮮拉致問題、核・ミサイル開発問題については、引き続き毅然とした対応を求めます。万一の事態となった場合、在韓邦人の避難と保護は、日本政府に課せられた重大な責務。韓国や米国との間で、どれだけの協議がなされているのでしょうか。日本政府として、どの程度の検討がなされているのか。できる範囲での説明を求めます。
  • 森友、加計問題を取り上げるまでもなく、真っ当な民主主義のためには、適切な公文書管理と徹底した情報公開が不可欠です。立憲民主党は、公務員個人が作成、管理する文書も対象に加えるなど公文書管理法改正案と、開示情報の拡大など情報公開法改正案を速やかに国会に提出します。公文書管理法と情報公開法に関する総理の見解をお尋ねします。
  • 国会では、与野党での質問時間の配分について、自民党から身勝手な主張がなされています。かつての野党時代の主張と完全に矛盾する上に、議院内閣制と国会の役割についての無理解に基づくものとしか言いようがないものです。
  • 与党の質問時間割合を拡大しようという提案は、政府・与党一体の事前審査プロセスなどが機能不全の状態にあるからだと受けとめざるを得ません。今の自民党は、国会提出前の事前審査プロセスなどで野党議員と同じ程度にしか関与できていない、影響力を行使できていない、こういうことなのでしょうか。政府側から見た総理の認識をお尋ねします。
  • 東日本大震災からの復興と原発ゼロの実現。復興に関連して、特に重要なのはソフト面での支援です。ハード面での損害や復興のプロセスは目に見えます。しかし、家族やふるさと、地域でのつながりなどを失った心の傷は目に見えません。所信表明では、心の復興を支援する旨述べられましたが、その具体策についてお尋ねします。
  • 自民党は、依存度を可能な限り低減させるとする一方、原発をベースロード電源と位置づけています。ベースロード電源として活用すれば、依存度を低減させるといっても限界があります。一体、いつになったら原発稼働をやめるつもりなのか、それともやめるつもりがないのか、総理の明確な答弁を求めます。
  • 原発再稼働を進めますとしていますが、国の責任ある避難計画が策定されていない中での再稼働は、文字どおり無責任です。総理の認識を伺います。
  • 立憲民主党は、国が避難計画に責任を持つ原子力災害特別措置法改正案と、一日も早い原発ゼロに向け工程表を示した原発ゼロ基本法案を策定し、次期通常国会までに提出します。原発ゼロは、今やリアリズム。具体的なプロセスこそが問われる段階です。こうした法整備に総理は賛同いただけますか。

内閣総理大臣安倍晋三)(回答)

  • 幼児教育の無償化については、先般の総選挙でもお約束したとおり、2020年度までに、3歳から五5までの全ての子供たちの幼稚園、保育園の費用を無償化する、ゼロ歳から二歳児についても所得の低い世帯に対して無償化するとの方針のもとで、現在、具体的な検討を進めているところであります。
  • 待機児童問題については、本年6月に策定した子育て安心プランを前倒しし、2020年度までに32万人分の保育の受け皿整備を進め、待機児童を解消することとしています。本プランを踏まえ、保育の受け皿整備のための予算をしっかり確保してまいります。
  • 幼稚園や学校の空き教室の活用、地方自治体における具体的な取り組みや情報の住民の方々への積極的な提供など、地方自治体の取り組みをきめ細かく支援してまいります。
  • どんなに貧しい家庭に育っても、意欲さえあれば、専修学校、大学にも進学できる日本にしてまいります。真に必要な子供たちには、高等教育を無償化します。そのために、授業料の減免措置の拡充と、給付型奨学金の支給額の大幅増加を検討しています。
  • 無期転換ルールを避ける目的で雇いどめをすることは、法の趣旨に照らして望ましいものではない。このため、無期転換ルールの適切な適用のため、都道府県労働局に特別相談窓口を設置するなど、企業への周知や啓蒙、指導にしっかりと取り組んでまいります。
  • 御指摘の企業における事例については、現在厚生労働大臣において実態を調査中であり、調査結果を踏まえて必要な対応をとってまいります。
  • 民主党政権時代の地域自主戦略交付金については、手続の煩雑さや、さまざまな問題点が指摘されていたことから、平成25年度に廃止し、地方からの意見を踏まえ、より大きな政策目的にまとめて、真に必要な事業に充てることができる、自由度の高いものといたしました。
  • 旧戸別所得補償制度については、全ての販売農家を対象に交付金を支払うものであったことから、担い手への農地の集積ペースをおくらせる面があった。さらに、十分な国境措置がある米について交付金を交付することは、他の農産物の生産者や他産業、納税者の理解が得がたいなどの課題があった。このため、安倍内閣においては、旧戸別所得補償制度については平成29年産までの時限措置とした上で、その間、強い農業の実現に向け、農地集積バンクによる農地集積や、需要のある麦、大豆、飼料用米の生産振興による農地のフル活用を図るなど、前向きな政策を強化してまいりました。
  • 夫婦の別氏の問題は家族のあり方と深くかかわるものであり、国民の間にさまざまな意見があることから、慎重な対応が必要。
  • 性的指向性自認については、その正しい理解を促進し、社会全体が多様性を受け入れる環境づくりを進めてまいります。
  • 政権交代後、大胆な金融政策を含む三本の矢の政策により、もはやデフレではないという状況をつくり出すことができました。また、そうした中で、行き過ぎた円高も是正。さらに、日本銀行による大胆な金融緩和は、デフレマインドの払拭につながっている。こうした中、仕事や投資は国内に戻り始め、中小企業の倒産は3割減少し、輸出数量も、2016年後半から海外経済が緩やかに回復する中で持ち直しを続け、企業収益は過去最高水準となっています。
  • 国民生活にとって最も大切な雇用についても、大きく改善しています。就業者数は185万人増加し、有効求人倍率は史上初めて47全ての都道府県で一倍を超え、正社員の有効求人倍率は調査開始以来初めて一倍を超えています。
  • いわゆるゼロ金利の状態における金融緩和と物価の関係性についての御指摘がありましたが、金融政策の具体的な手法は日本銀行に委ねられるべきであると考えております。物価が2%程度に達する時期について、日本銀行の展望レポートでは2019年ごろになる可能性が高いとされており、今後とも、日本銀行が物価安定目標の達成に向けて大胆な金融緩和を着実に推進していくことを期待しています。
  • 政府では、ギャンブル等依存症が、当事者や家族の問題のみならず、社会問題を生じさせていることに鑑み、本年八月にギャンブル等依存症対策の強化策を取りまとめたところであります。未成年者等のアクセス制限、射幸性の抑制、医療面の対応、教育啓発等の対策を政府一体となってしっかりと実施してまいりたいと思います。
  • 厳しい安全保障の現実に真正面から向き合い、憲法の範囲内であらゆる事態に切れ目のない対応を可能とする平和安全法制を整備しました。政府としては、ベストなものと考えています。同時に、いわゆるグレーゾーン事態への対応については、海上警備行動等の発令手続の迅速化や関係機関の連携の強化など、必要な取り組みを一層強化しているところであり、現時点では、領域警備法といった新たな法整備が必要とは考えていません。また、厳しさを増す安全保障環境に対応するため、約20年前に制定された周辺事態法を改正し、平和安全法制の一環として、内容の充実強化を図った重要影響事態法を既に整備。
  • 先般のトランプ大統領の訪日では、パリ協定についてのやりとりはありませんでした。他方、5月のG7タオルミーナ・サミットでは、米国がパリ協定にとどまるよう他のG7首脳とともに働きかけを行いました。米国はイノベーションを通じた先進的な環境技術の導入等を行ってもいる。
  • ベトナムのAPEC首脳会議の際に行った習近平主席との日中首脳会談で、東シナ海における防衛当局間の海空連絡メカニズムを早期に運用開始するため、協議を加速化していくことで一致。東シナ海の資源開発についても、2008年合意を堅持し、同合意の実施の具体的進展を得るよう、引き続きともに努力していくことで一致いたしました。
  • 韓国とは、在韓邦人の安全確保について平素から緊密に連携しており、米国とは、日米防衛協力のための指針も踏まえ協力を進めてきていますが、具体的な内容は、事柄の性質上及び相手国との関係もあり、差し控えさせていただきたいと思います。
  • 公文書管理については、まずは、現行法の中において、行政文書の作成、保存に関する基準の明確化、文書の正確性の確保等を内容とするガイドラインの改正を年内に行うこととしており、その後も、公文書管理の質を高めるための不断の取り組みを進めてまいります。
  • 質問時間の配分自体については、まさに国会で決めることであり、内閣総理大臣の立場である私から答弁をすることは差し控えさせていただきます。
  • 心の復興を支援することは極めて重要であります。これまでも政府は、被災地の自治体やNPO等と連携し、被災者に対して、災害公営住宅等への移転後のコミュニティー形成の支援、福祉関係者による見守り体制の強化、地域住民との交流の機会の創出を通じたつながりづくりなど、心の復興に力を入れてまいりました。これらの事業を通じ、コミュニティーの活性化、高齢者の孤立の解消、参加された方の居場所づくりなどの効果が出ていると考えております。
  • 徹底した省エネ、再エネの最大限の導入に取り組み、原発依存度を可能な限り低減する、これが安倍内閣の一貫した方針。同時に、資源に乏しい我が国にとって、電気料金のコスト、気候変動問題への影響、エネルギーの海外依存度を考えれば、原発ゼロということは、責任あるエネルギー政策とは言えません。
  • 避難計画は、地域住民の安全、安心の観点から、その策定を着実に進めていくことが重要です。国としても前面に立って、避難先や避難手段の確保など、きめ細かく関与しながら、関係自治体と一体となって計画策定に取り組んでいます。
  • 高い独立性を有する原子力規制委員会が科学的、技術的に審査し、世界で最も厳しいレベルの新規制基準に適合すると認めた原発のみ、その判断を尊重し、地元の理解を得ながら再稼働を進めるのが政府の方針であります。

岸田文雄自由民主党

  • 森友学園加計学園に関する問題については、総理や関係閣僚から丁寧な説明がなされたと認識しているが、国民の間に疑問の声がある以上は、引き続き誠意を持って丁寧な説明をしていくことが、建設的な国会運営のみならず、国政全般を円滑に進めていくためにも極めて重要であると考えます。総理のお考えをお伺いいたします。
  • 一方、一部の国家戦略特区に絡む問題が指摘されたことによって、特区制度に向けた議論が萎縮し、規制改革全体の進捗に悪影響を及ぼすことがあってはなりません。規制改革自体は引き続き力強く前へ進めていくこと、そして、公文書管理の適正化等を通じて行政の透明性を高めていくことを強く求めます。
  • 今選挙における野党の混乱があった。1996年から小選挙区比例代表並立制が導入され、メリットとして強調されたのは、政策を通じて政権を選択するというもの。こうした選挙制度の趣旨を考えるとき、政策がないがしろにされてしまった今回の選挙のありようは、まことに残念でありました。我々自民党としても責任政党として、短期間でありましたが、公約をまとめ、選挙を通じて最後まで政策、公約を訴え続けた。総理は、この選挙と政策、公約とのありようについてどのように考えているか。
  • 我々が政権に復帰して間もなく5年、アベノミクスの三本の矢によって、日本経済の停滞を打破し、マイナスからプラス成長へと大きく転換してきた。この成長の果実を国民一人一人のもとに届け、実感してもらうために、社会や企業の生産性を画期的に高めることによって、その果実を設備投資や賃金にしっかりと振り向けてもらい、その賃金で力強い消費を実現してもらう。力強い消費を実現するためには、将来への不安を払拭しなければならない。よって、最大の不安である少子高齢化に対応するため、子育て、介護に政策手段を投入する。そのためには財源が必要となるから、消費税の増税分の使い道を変える。こうした考えに基づいて、経済政策、生産性革命、人づくり革命を公約の中に掲げました。
  • 生産性革命とは、ロボット、IoT、人工知能といった最先端のイノベーション等によって生産性を劇的に押し上げ、アベノミクスの成果である賃金上昇の流れを、さらに力強く持続的なものとするものであります。2020年までの3年間を生産性革命の集中投資期間として、税制、予算、規制改革など、あらゆる施策を総動員して、企業の収益を設備投資や賃金引き上げに振り向けようとするものであります。
  • 人づくり革命は、やがて来る人生百年時代に向け、国民の多くが不安を感じている子育て、介護の問題を解決する必要があるとの見地から、幼児教育の無償化、待機児童解消、高等教育の負担軽減、リカレント教育、介護人材の確保などにあらゆる政策資源を大胆かつ集中的に投入し、お年寄りも若者も安心して暮らし、活躍できる社会を築こうとするものです。
  • 政府は、12月初旬に、これらの公約を実現するべく、生産性革命、人づくり革命の政策パッケージを取りまとめるとしています。我々自民党も、この政策パッケージの重要性を十分認識して、具体的な制度設計について党としての考え方を提言としてまとめ、政府に提出したいと考えております。
  • 今回の公約において、人づくり革命を力強く進めていくための安定財源として、消費税率10%への引き上げによる増収分を活用することを明らかにしました。これに伴って、財政健全化の手が緩むのではないかという懸念が生じている。、2020年度にプライマリーバランスを黒字化する目標の達成は困難になります。しかしながら、我々自民党は、今般の総選挙において、人づくり革命の断行と同時に、財政健全化の旗を明確に掲げつつ、不断の歳入歳出改革を徹底することを国民の皆様に約束しました。
  • 未来を担う子供たちに財政赤字という形で負担を押しつけている状況は、一刻も早く改善するべきです。
  • 個人の消費や企業の投資が思うようにふえない理由の一つは、将来への不安。この不安を払拭するための基盤が財政の健全化であると考えます。
  • 総理は、消費税の使い道を見直しても、財政再建の旗をおろすことはない、プライマリーバランスの黒字化を目指すという目標自体はしっかりと堅持すると表明されています。財政再建に向けた総理の決意をお伺いいたします。
  • アベノミクスの成果について、地方ではまだ実感がないという指摘。このような見地から、本年4月に自民党が取りまとめた経済構造改革戦略では、地域経済を牽引する企業、全国約二千社を軸に、地域への波及効果の高い事業を優先的に支援するよう提言。また、今回の総選挙における公約では、地元特産品の開発、販路拡大への支援、観光客を呼び込む観光地域づくり等によるローカル・アベノミクスの実現等を国民の皆様に約束。
  • 地方大学の振興。地方の若者が地元で学び、地元で就職し、ふるさとの振興のために活躍をする。地方大学の振興を通じた地方創生、地域経済活性化について、総理の御所見をお伺いいたします。
  • 東日本大震災から6年8カ月が経過。復興が進みつつあるが、同時に、今なお8万人もの方々が避難生活を余儀なくされている。今後も、復興に向けた取り組みをさらに加速していかなければなりません。
  • 総理は、第四次内閣発足に際しても、閣僚全員が復興大臣であるとの認識を共有するよう指示されました。一部、震災の記憶の風化が指摘される中、改めて、復興に向けた総理の御決意をお示しください。
  • 大規模災害のたびに必ず課題として浮上するのが、激甚災害指定の迅速化。財政状況の厳しい中、生活に密着したインフラの復旧にさえ二の足を踏む自治体も散見されます。お金の見通しがつかないから復興を諦めるというようなことはあってはなりません。防災、災害復興に関する総理のお考えをお聞かせください。
  • 安全保障の基軸たる日米同盟の強化が不可欠です。トランプ大統領の訪日、その後、韓国、中国を訪問し、ベトナムではAPEC首脳会談に出席、フィリピンではASEAN関連首脳会談に臨み、安倍総理も、ベトナム、フィリピンを訪問し、中国、ロシアとの首脳会談。この一連の首脳会談の成果、特に北朝鮮を初めとするアジアの安全保障に関する成果をどのように考えておられるのか、お伺いいたします。
  • 北朝鮮への圧力を考えた場合に、鍵となるのは中国の対応です。国際社会と協力して北朝鮮への圧力を強化していくためにも、朝鮮半島の検証可能な形での非核化に向けて建設的な対応を中国から引き出すためにも、日中関係の安定も考えていかなければなりません。
  • 今回の一連の首脳会談の中で、ベトナムでは習近平国家主席と、フィリピンでは李克強首相と総理が相次いで会談されたことは、近年にない、特筆すべき動きです。両国首脳の相互訪問の可能性、日中韓サミットの開催も注目されます。日中関係安定に向けた総理の思いをお伺いいたします。
  • 北朝鮮問題に関する見通し、覚悟に関して、総理の国民に対する力強いメッセージをいただきたいと存じます。
  • トランプ大統領が訪日した際、拉致被害者の御家族と面会されたことは、拉致問題に関する日米の連携を強化していく上で非常に重要な意義があったと考えます。拉致問題の早期解決に向けた総理の御決意を改めてお伺いいたします。
  • 先月、選挙中でありましたが、沖縄県国頭郡東村において、米海兵隊のCH53Eヘリ一機が飛行中の火災により緊急着陸するという事故が発生しました。しかし、米軍は、事故6日後の17日には、日本側への十分な説明がないまま同型機の飛行再開を一方的に発表し、翌18日、飛行を再開しました。米軍のたび重なる事故及び事故後の不信を招く対応は極めて遺憾であります。そもそも、在日米軍の活動における地域住民の安全、安心の確保は、米軍が我が国に安定的に駐留し、日米安保体制を維持するために必要不可欠であり、引き続き、米側に対し、安全性に最大限配慮するとともに、地域住民に与える影響を最小限にとどめるよう強く求めていくべきであると考えます。総理の御見解をお伺いいたします。
  • 先日行われた米国を除くTPPの閣僚会合で、11カ国によるTPPが大筋合意。米国のTPP離脱の動揺を乗り越えて、アジア太平洋地域に自由で公正な経済圏を構築するという、経済的、戦略的意義を持つ協定の発効の道筋がついたことは極めて大きな進展です。
  • 日・EU・EPAは、4年3カ月の交渉の結果、本年七7、大枠合意た。この成果を確固たるものとするため、できるだけ早期にこの協定に署名をして、発効へのプロセスを引き続き強く進めることが必要です。
  • トランプ大統領訪日の際の日米首脳会談では、日米経済対話第二回会合において、麻生副総理とペンス副大統領が二国間の経済、貿易及び投資関係強化の重要性を確認したことを歓迎しました。また、日米間の対話をさらに深化させ、二国間の貿易・投資をより活性化し、法執行やエネルギー、インフラなどの分野で協力を強化していくため、引き続き議論を重ねることで一致をいたしました。
  • 今後、我が国は自由貿易を守るため、TPP、日・EU・EPA、日米経済対話、そしてRCEPを加えた四方面作戦が求められます。我が国の今後の経済連携戦略について、総理の御所見をお伺いいたします。また、TPPや日・EU・EPAについては、農林漁業者の不安払拭にも努めなければなりません。農林漁業者の経営安定、発展を後押しするための覚悟について、あわせてお聞かせください。
  • 今回の選挙の公約において、自民党は初めて憲法改正を特記。具体的には、現行憲法国民主権基本的人権の尊重、平和主義の三つの基本原則は堅持し、自衛隊の明記、教育の無償化・充実強化、緊急事態対応、参議院の合区解消など四項目を中心に、憲法改正を目指す。
  • 憲法のありようについては、時代の変化の中で、常にどうあるべきか考えていかなければならないものです。同時に、憲法論議は改正のための改正であってはなりません。開かれた議論を丁寧に積み重ね、その様子を国民にしっかりと見聞きしてもらうことが国民の理解や改正への機運の高まりにつながると考えます。総理のお考えをお聞かせください。
  • 安倍総理はこれらの政策の先にどんな社会や目標を総理は見ているのか。

内閣総理大臣安倍晋三君)(岸田文雄議員に回答)

  • 森友学園加計学園に関する問題については、丁寧な説明を積み重ねてきた。
  • 岩盤規制改革は成長戦略の根幹をなすものであり、今後とも力強く前に進めてまいります。
  • 各行政機関における公文書管理の質を高めるため、公文書の作成、保存等の管理に係るガイドラインを年内に見直すなど、不断の取り組みを進めてまいります。
  • 自民党公明党の強固な連立のもと、この選挙でお約束をした政策の実行に邁進することで、その国民の皆様の負託にしっかりと応えていく決意。
  • 新しい経済政策パッケージについては、最大の課題である少子高齢化の克服に向けて、生産性革命と人づくり革命を断行するためのものであります。2020年を大きな目標に、生産性革命の実現に向けて、企業による人材や設備への力強い投資、並びにソサエティー五・〇の実現に向けたイノベーションを促す。人づくり革命については、幼児教育の無償化や介護人材の確保などを通じて、社会保障制度を全世代型社会保障へ転換するとともに、真に必要な子供たちに限った高等教育無償化など、人への投資を拡充。これらの政策を力強く進めていくため、消費税率10%の引き上げに伴う増収分などを活用した二兆円規模の政策を取りまとめます。
  • 現在、自由民主党では、岸田政務調査会長のもとで、人生百年時代戦略本部、経済構造改革に関する特命委員会において議論が行われていると承知をしておりますが、早急に取りまとめていただき、提言をいただいたものを12月上旬に策定する新しい経済政策パッケージに反映いたします。
  • 財政健全化の旗は決しておろさず、国、地方を合わせたプライマリーバランスの黒字化を目指すという目標自体は堅持。
  • この15年間で地方の若者が500万人減少。先端科学や観光、農業といったそれぞれの分野で、日本全国からだけでなく、世界じゅうから学生が集まるような、きらりと光る地方大学づくりを進めます。そうした地方大学を核に、地場の中小・小規模事業者の皆さんの知恵を生かしながら、産学の連携により、地方経済を活性化。若者ならではの斬新なアイデアで、地方の魅力を生かした新しいビジネスへの挑戦を支援し、学びにおいても、働く場としても、地方にこそチャンスがあると若者たちが感じられるような地方創生を力強く進めてまいります。
  • 被災から6年以上が経過し、復興の総仕上げ、福島の本格的な復興に向けて、確固たる道筋をつける重要な局面を迎えています。避難生活の長期化に伴う心身のケアなど、切れ目のない被災者支援や、住まいと町のさらなる復興、なりわいの再生を進める。福島では、帰還困難区域を除くほとんどの地域で避難指示が解除され、復興再生に向けた動きが本格的に始まってる。今後とも、帰還困難区域における特定復興再生拠点の整備や、福島イノベーション・コースト構想の推進、風評の払拭等、復興再生に向けて国が前面に立って全力で取り組む。
  • 政府としては、引き続き、被災地の復旧復興に全力を尽くすとともに、激甚災害の速やかな指定に向けた運用の見直しを含め、ハード、ソフト一体となった総合的な防災対策に徹底して取り組む。
  • トランプ大統領とは、訪日の際に十分な時間をかけて北朝鮮の最新の情勢を分析し、今後の方策について完全に意見の一致。の成果を踏まえ、習近平主席、プーチン大統領を初め各国首脳と率直に議論を行い、国際社会が一体となって、北朝鮮に対する圧力を最大限にし、北朝鮮の方から対話を求めてくる状況をつくっていかなければならないことを強く訴え、一層緊密に連携していくことで一致しました。
  • 我が国が推進する、自由で開かれたインド太平洋戦略の考え方を丁寧に説明しました。こうした考え方に賛同してもらえるのであれば、中国を含め、いずれの国とも協力していけると考えています。
  • 本年は日中国交正常化45周年、来年は日中平和友好条約締結40周年という節目の年であり、戦略的互恵関係の考えのもと、大局的な観点から日中の友好協力関係を安定的に発展させていく好機。日中韓サミットを早期に開催して李克強首相の訪日を実現し、その後、私が訪中し、その後には習主席に訪日いただきたいと考えています。このような日中首脳の相互往来を通じて、日中関係を安定的に発展させていきたいと考えています。
  • 北朝鮮問題については、挑発を行っているのは北朝鮮の方であり、私も、世界じゅうの誰一人として紛争など望んでいません。しかし、北朝鮮が、1994年の枠組み合意、2005年の6者会合共同声明を時間稼ぎの口実に使い、核・ミサイル開発を進めてきたとの反省を踏まえれば、北朝鮮とは、対話のための対話では意味がありません。北朝鮮に政策を変えさせるため、あらゆる手段を使って北朝鮮に対する圧力を最大限にし、北朝鮮の方から対話を求めてくる状況をつくっていくことが必要です。
  • トランプ大統領が、全世界が注目する国連総会の演説で横田めぐみさんに言及したことに加え、訪日の際に、拉致被害者の御家族の皆様と面会し、御家族の方々の思いのこもった訴えに熱心に耳を傾けた。私が司令塔となって、北朝鮮に対する国際社会の圧力をてことしつつ、北朝鮮拉致問題の早期解決に向けた決断を迫ってまいります。
  • 安全保障環境が一層厳しさを増す中、日米同盟の抑止力は極めて重要ですが、もとより、米軍機の飛行安全の確保は、米軍が我が国に駐留する上での大前提です。また、米軍の安定的な駐留のためには、地元の理解を得ることが必要不可欠です。先般のトランプ大統領訪日の際にも、私から大統領に対して、米海兵隊のCH53Eヘリコプターの事故を含め、米軍の事件、事故等に関する地元の懸念に真摯に対応することが重要である旨述べたところです。また、在日米軍の運用に際しては安全の確保が大前提であるとの我が国の立場をしっかりと伝えました。その上で、トランプ大統領との間で、安全に対する地元の懸念を軽減する重要性を再確認しました。
  • 我が国は、自由貿易の旗手として、21世紀型の質の高い自由で公正なルールに基づく経済圏を世界へ広げていく取り組みを主導していく。TPPや日・EU・EPA交渉においては、農林水産分野について、重要5品目を中心に関税撤廃の例外をしっかり確保し、関税割り当てやセーフガード等の措置を獲得。TPP対策として、産地の国際競争力の強化や農林水産物の輸出拡大などの体質強化対策を実施。さらに、今月下旬に改定する総合的なTPP関連対策大綱に基づき、2017度補正予算も含め、農林水産業の強化策等の措置を講じていく。
  • 憲法改正は国会が発議し、最終的には国民投票により国民の皆様が決めるもの。国会の憲法調査会において各党による建設的な議論が行われ、国会における議論が深まる中で国民的な理解も深まっていくことが極めて重要。
  • 私が目指すのは、自立の精神を大切にしながら、活力とチャンスと優しさに満ちあふれた国、そして世界に開かれた国。成長と分配の好循環により国民全体が成長を享受できる、若い人たちに働く場所があり、未来をつかみ取ることができる、全世代型の社会保障制度により、子育てや介護に対する不安なしに、お年寄りも若者も安心して暮らすことができる、そのような社会を実現するため、生産性革命と人づくり革命を断行します。障害や難病のある方も、女性も男性も、お年寄りも若者も、一度失敗を経験した方も、誰もが生きがいを持ってその能力を存分に発揮できる社会、日本のあらゆる可能性をオープンな世界で開花させることができれば、そのような社会が待っているはずであります。

玉木雄一郎希望の党代表)

  • 地方の衰退は驚くべきスピードで進んでいます。地方だけでなく、今、普通に一生懸命働いて生活している人たちと一部の富裕層との間で格差が広がっています。豊かな人をより豊かにすればそのうちお金がみんなに回ってくる、そんな政策を続けた結果、日本の相対的貧困率は、OECD加盟国の平均値を上回るほど深刻な事態になってしまいました。
  • 今、日本に必要なのは、未開の荒野に新たなレールを敷き、新しい日本を開拓することです。これこそ、私自身の初心であり、私たち希望の党の使命だと考えます。
  • 私たち希望の党は、綱領の中に、寛容な改革保守を掲げています。我が国の地域社会に脈々と受け継がれてきた伝統や文化を守りながら、時代の変化をしなやかに受け入れる。
  • 尊敬する郷土の先輩、大平正芳元総理の有名な理念に、楕円の哲学というものがあります。楕円に二つの中心があるように、政治も世の中も、二つの相対立するものが適度な緊張と調和の中に共存している、そんな状態が望ましいという、まさに穏健保守の政治哲学です。この道しかないと決めつけ、異なる意見を聞き入れず、力の支配を信奉する、世界的に見られる近年の政治風潮とは正反対の考えと言っていいかもしれません。
  • 私たちは、地域の共同体におけるこうした良質な保守層の中に育まれてきた、寛容の精神やバランス、調和を重視する、いわば土のにおいのする政党を目指してまいります。そして、日本の政治の中で、自民党にかわる楕円のもう一つの中心となり、政権を担う核となることを目指してまいります。そのために、次の三つの基本方針を党の中心的考えとして推し進めてまいります。
  • 第一に、現実的な外交・安全保障政策。第二に、弱肉強食ではない、働く人や中間層が豊かさを実感できる福祉国家の実現。そして第三に、未来を先取りする改革と情報公開の徹底。
  • 現実的な外交、安全保障を進める立場から、日米関係について質問します。
  • トランプ大統領との会談では、日米両国が北朝鮮問題に関し、100%ともにあると確認されました。トランプ大統領はかねてより、軍事行動を含め、全ての選択肢がテーブルの上にあると言っています。100%ともにあるとまで明言したのは、軍事行動も含めて行動をともにすると理解してよいのでしょうか。私は、北朝鮮への融和政策には反対です。北朝鮮の核、ミサイル保有が固定化されてしまうような、最悪の融和政策に引き込まれる事態は断じて避けなければなりません。しかし、制裁や圧力、過激な言葉の応酬は、必然的にエスカレーションをもたらします。総理は、こうした圧力の先の着地点をどうお考えなのでしょうか。
  • 万が一にも軍事衝突が起きた場合、朝鮮半島にいる日本人の退避策をどう考えていますか。また、北朝鮮のミサイルの射程にすっぽりと入る日本の国土と国民の安全を確保するために、どのような具体策を考えていますか。
  • 北朝鮮を協議に引きずり出すには、いやが応でも対話が必要。拉致被害者全員の帰国実現に向けた総理の具体的な方針を示してください。
  • 私たちは、我が国を取り巻く近くの防衛に、限られた予算、定員、装備を集中すべきだと考えます。そもそも、限られた国力や人員、装備のもとで、アメリカの要求に基づきあれもこれも引き受けることは、国益に反することにもなりかねません。我が党は、近くの防衛は同盟国とも協力しつつ万全を期すとともに、遠くは抑制的にという限定を明確に具体化していきます。そのため、存立危機事態の新三要件の厳格化など、現行の安保関連法の改正案の提出を目指します。同時に、島嶼地域における領域警備やミサイル防衛に万全を期すための立法も検討していきます。
  • 憲法については、国民の知る権利、地方自治の本旨衆議院解散権の制限など、幅広い論点について議論をしてまいります。しかし、総理が突然提案した自衛隊を九条に明記するだけの改憲提案には違和感を禁じ得ません。我が国が行使できる自衛権の範囲やその行使の要件などの議論もせずに、単に自衛隊を位置づけるとの議論は極めて不誠実です。
  • そろそろアベノミクスの負の側面にも真摯に向き合うべきです。2020年のプライマリーバランスの黒字化は、もはや不可能です。そもそも、新三本の矢と言って掲げた2020年GDP600兆円は本当に達成できますか。内閣府が出している中長期試算では、生産性上昇率、TFPといいます、これが2020年に向けてあり得ないペースではね上がる前提になっています。生産性革命と幾ら叫んでも、さすがに非現実的な数字です。結論ありきの恣意的な数字いじりは即刻やめるべきではないですか。
  • 確かに株価は上がっています。しかし、日銀が、上場投資信託ETFの購入で大量の株式保有者となっていることを問題だとは思いませんか。総理の基本認識を伺います。
  • ブルームバーグの試算では、日経平均構成銘柄225の約九割で日銀が大株主になっています。これは異常です。日銀がもしETFの購入をやめたら日経平均が数千円下がるとの試算もあります。ETF購入の出口をどう考えているんでしょうか。
  • また、株式市場の世界的な高騰をバブルと警戒する声も出てきている中、仮に株価が急落すれば日銀のバランスシートは傷みます。そのとき、日銀は最後の貸し手としての機能を果たせるのでしょうか。危機への備えは万全と言えるのか、総理の認識を伺います。
  • 株価を人為的に上げるような政策が行われ、その受益者がいる一方で、持てる者と持たざる者との格差は確実に広がっています。アメリカでは、低所得白人の絶望死が増加していると言われています。人生がうまくいかず、生きる意味を失い、働く意思も喪失してしまう。結果、アルコールやドラッグ、自殺へと向かっていく。ノーベル経済学賞のディートン・プリンストン大学教授は、格差拡大と社会からの疎外が絶望死を生み出す要因と指摘をしています。OECDのデータを見ると、日本の再配分機能は、このアメリカ並みに低いものになっています。私たちは、ベーシックインカム的な考えを取り入れた、全ての人が人間としての尊厳を持って生活することのできる、そんな社会保障制度のグランドデザインを提案してまいります。格差是正のための抜本的な給付と税負担の見直しの必要性についてどのように考えているのか、見解を伺います。
  • 総理は、幼稚園と保育園の無償化を実現すると高らかにうたい上げました。しかし、無償化はうそではないですか。幼稚園には巨額の資金を投じて無償化を進める一方、保育園、特に認可外は本当に無償になるんでしょうか。保育園に子供を預けているママ、パパで一番困っているのは、認可園に入れず、認可外に預けておられる方々です。都内だと5万円から8万円ぐらいの保育料がかかります。これを本当に無償化しますか。
  • そもそも、預けたくても預けられない待機児童が深刻な問題なのに、保育園に入れた人たちを無償化するのが優先順位が高いんでしょうか。優先順位が間違っていませんか。
  • ある方が、ツイッターハッシュタグで、子育て政策おかしくないですかと呼びかけたところ、瞬く間に二万人以上のネット署名が集まったと聞いています。無償化するお金があるなら、保活に苦しむ人がいなくなるよう保育園をふやしてほしい、無償化するお金があるなら保育士さんたちに回してほしいなど、数々の声が寄せられています。財源があるなら、無償化より全入化に使うべきだと考えますが、総理の所見を伺います。
  • 総理は、2020年までに32万人の保育の受け皿をつくる、そのために企業の拠出金3千億円を確保したと胸を張りますが、それで待機児童ゼロ、保育園全入化になるのでしょうか。計算が合いません。例えば、野村総研の試算では、2020年までに新たに整備が必要な保育の受け皿は88万6千人とされています。どういう計算で政府は32万人と言っているのか、算定の根拠、計算式を示してください。見積もり違いで、差し引き56万6千人の子供たちが保育園に入れなくなる事態を総理は想定しておられますか。
  • 確保された3千億円には保育士の待遇改善は含まれていないようです。全産業平均よりも月9万円も低いとされる保育士の待遇改善をしないで、ただでさえ保育士不足なのに、どうするんでしょうか。待機児童の解消を目指す決意は揺るぎませんという所信表明での言葉も、これではかけ声倒れに終わってしまうと心配します。保育士の待遇改善の財源確保について、総理の考えを伺います。
  • 2020年代には、現役世代2人で1人のお年寄りを支える高齢社会になります。そして、認知症を患う方は7百万人となり、しかも人生百年時代を迎えます。我が党は、代表直属の機関として、認知症対策推進本部を設置し、党を挙げて認知症の問題に取り組んでまいります。そんな中、介護報酬の来年度改定に向けて、訪問介護の生活援助サービスの報酬引き下げが検討されています。認知症の方々や御家族の生活に一番大きな影響を及ぼすことが懸念されます。介護離職ゼロにも反すると思いますが、総理の考えを伺います。
  • 若年性の認知症は平均51歳で発症。男性が多く、働き盛りでの発症は、家計にも、子育てにも、そして親世代の介護にも影響を及ぼします。この若年性認知症の問題の深刻さを総理はどう認識されていますか。
  • 佐藤雅彦さんが書いた「認知症になった私が伝えたいこと」という本が反響を呼んでいます。まさに平均発症年齢の51歳で若年性認知症と診断された佐藤さんは、システムエンジニアだった経験を生かして、パソコンで日記をつけるなどの工夫をし、医師から困難と言われたひとり暮らしを続け、共感の輪が広がっています。最新のICTやSNSを活用すれば、認知症になっても自立した生き方を続けられる可能性が出てきました。政府もこうしたモデルを積極的に支援すべきではないでしょうか。総理の見解を伺います。
  • 希望の党は、安全保障、社会保障、そして食料安全保障という三つの保障を重視する政党です。食料自給率50%を堅持し、国民の食べる食料の一定割合は自国内で自国民による生産によって確保する方針を貫きます。その際、鍵となるのが食の安全です。
  • 2020年の東京オリンピックパラリンピックにおいて、選手村を初めとする施設で国産の食材をどれだけ出せる見通しでしょうか。
  • 農業生産の国際規格であるグッド・アグリカルチュラル・プラクティス、通称GAPや、GAPに相当する認証を受けているのは、現在、農家全体の数%のみです。このままだと基準を満たせず、日本のオリンピック・パラリンピックで日本の食材がほとんど出せないという事態になりかねません。
  • 中国ではこのGAP対応を早急に進めているとも聞いています。ロンドン大会では農家の八割が英国版GAPであるレッドトラクター認証を得ていたとされ、日本のおくれは明らかです。どう対応するつもりですか。国産の食材をぜひ多く使っていただきたいと思います。総理の具体的な見通しをお示しください。
  • 希望の党は、国内農家のGAP認証を推進するためにも、また、食の安全や環境配慮型の農法を支援するためにも、GAP支払いのような新たな直接支払いの制度の導入を目指します。
  • ここ数年、安倍政権は補助金を使った飼料用米への誘導を強化してきましたが、これは形を変えた減反政策の維持にほかなりません。しかも、家畜の食べる餌米の生産に10アール当たり最大10万5千円もの巨額の税金を投じる政策に持続可能性があるのでしょうか。こんな飼料用米の予算をこれからずっと続けることができますか。
  • 補助金目当てで餌米の生産に回った結果、食品メーカー向けの業務用米の流通量が足りなくなるといった市場のゆがみまで生じています。また、こうしたゆがんだ政策誘導にJAを行政の手足のように協力させるのは、JAの自主性を尊重するとした改革の趣旨に反するのではないですか。JA改革に逆行していませんか。あわせて総理の見解を伺います。
  • TPP11ですが、まだ調印もできていないのに、早くも補正予算での対策の話が出ていました。アメリカ入りの12国のTPPで1兆円以上もの対策を打ったはずなのに、アメリカが離脱したら、なぜもっとお金が必要になるんですか。補正予算をぶち上げる前に、国内農家にどういう影響が出るのか、影響試算を出すのが先ではないでしょうか。試算なき対策は、TPP11を口実にした単なるばらまきだと断ぜざるを得ません。
  • また、アメリカのハガティ駐日大使は、日米首脳会談で日米FTAが話し合われた、日米FTAは実現可能性が高いと語っています。政府は否定しておりますが、どちらが本当のことを言っているんでしょうか。
  • 今後のアジアの成長の可能性を踏まえれば、アメリカとの関係とともに、アジアとの関係をもう一つの中心として、戦略的外交を展開していくことが必要だと思います。その意味で、最近、日中関係が改善の兆しを見せていることは評価していますが、さらに戦略的互恵関係を深めるべきと考えます。さきの米中首脳会談を見ても、アメリカと中国両国はもっと強固な経済関係を深めようとしているようにも感じます。私は、8月、一帯一路の起点都市である重慶市を訪問しました。正直、その発展ぶりと欧米との強固なつながりの深さに驚きました。もっと日本の政治家が中国の内陸部を訪問し、現在のリアルな中国の姿を直接知る必要があると実感をいたしました。
  • かつて、一帯一路構想やアジアインフラ投資銀行、AIIB構想については、どちらかというと慎重な姿勢を示しておられたと思いますが、現在、これらの構想をどう評価していますか。
  • 私たちは、原発ゼロと自然エネルギー立国を目指してまいります。地産地消自然エネルギーが中心となれば、農村地域に産業と雇用が生まれ、エネルギー自給率の向上、ひいてはエネルギー安全保障にもつながります。それに向けた工程表を作成し、関連法案を通常国会に提出してまいります。
  • 原発廃炉は、世界的に見ても、需要の大きいビジネスとなっていきます。技術や人材をレベルアップしていくためにも、国が前面に出て、時代を先取りしていくべきだと考えます。原発事故を経験した地元の方々も強く望み、福島県議会では党派を超えて決議もされている東京電力福島第二原発廃炉について、事業者任せにせず、国が前面に出て判断すべきではないですか。
  • 森友学園加計学園について。国民がいまだに疑問を持っている最大の原因は、情報公開が恣意的に行われてきたからです。都合の悪い文書は怪文書と断じ、あるはずの資料がないとか、捨ててしまって残っていないとか、わずか一年前の記憶がなくなるとか、相手方が証言しているのに自分にはわからないとか、誰もが信じがたい話をして、説明責任の放棄と受けとめられたことが問題です。南スーダンPKOの日報問題も、本質は同じです。そもそも、省庁の文書は、原則として全てパソコンで作成されています。ならば、業務上作成した文書データは全て保存しておくことも可能です。わざわざ削除、破棄する方が不自然なんです。私たちは、電子データは原則保存すべきとの法案の提出を検討していますけれども、業務上つくられた文書データは原則保存すべきではないでしょうか。総理の考えを伺います。
  • 地方の企業を回ると、深刻な人口減少と働き手不足に直面していることを肌で感じます。経済成長の三要素は、資本、労働投入、イノベーションです。労働力不足は、成長の最も大きな制約要因となるでしょう。そこで、今までの技能実習のような形ではなく、外国人労働力の導入の問題を真正面から議論すべきではないでしょうか。特に、地方では問題は深刻です。外国人労働者の活用について、総理の見解を伺います。
  • 中小・小規模事業者の事業承継問題も深刻な課題です。昨年一年間に休廃業や解散した企業は3万社近くとなり、過去最高。その約半数は黒字での休廃業。経営者の6割が2020年代半ばにリタイアの年齢を迎え、その半数の方が、後継者は未定と答えています。放置すれば、我が国GDPが22兆円も減るとの試算もあります。この際、中小・小規模事業者の事業承継税制について、納税猶予ではなく、思い切って免除すべきと考えますが、総理の見解を伺います。
  • 後継者を育てたいのに、社会保険料の重さから、正社員の採用をちゅうちょする中小・小規模事業者も少なくありません。希望の党は、中小・小規模事業者が正社員を雇った際には、社会保険料の事業主負担分を軽減する法案を提出する方針です。
  • 与党の期数の少ない議員が中心に、質問時間が足りないので与党の時間をふやせと言っておられるようですが、例えば、政府・与党は、内閣提出法案、閣法が審議されているときは毎日でも委員会を開こうと言いますが、閣法が成立してしまうと、定例日さえ国会を開こうとしません。定例日には必ず国会を開く、こうした運用に改めるべきではないですか。また、野党からの修正協議には必ず応じるというルールを定めるなど、国会審議を活性化させる方策は幾らでもあります。総理の答弁を求めます。

内閣総理大臣安倍晋三) 玉木雄一郎議員にお答え。

  • 北朝鮮問題については、挑発を行っているのは北朝鮮の方であり、私も、また世界じゅうの誰一人紛争など望んではおりません。しかし、北朝鮮が、1994年の枠組み合意、2005五年の6者会合共同声明を時間稼ぎの口実に使い、核・ミサイル開発を進めてきたとの反省を踏まえれば、北朝鮮とは、対話のための対話では意味がありません。北朝鮮に政策を変えさせるため、あらゆる手段を使って北朝鮮に対する圧力を最大限にし、北朝鮮の方から対話を求めてくる状況をつくっていくことが必要であります。
  • 政府としては、平素から、在韓邦人の保護や退避が必要となるさまざまな状況を想定し、情報提供、安否確認、輸送手段の確保などについて、必要な準備、検討を行っています。また、我が国として、陸上配備型イージスシステムを中心として弾道ミサイル防衛能力の抜本的な向上を図るなど、防衛力の強化を図ってまいります。
  • 政権交代後、アベノミクス三本の矢によってデフレではないという状況をつくり出す中で、名目GDPは10.8%、53兆円増加するなど、経済の好循環が生まれております。この流れをより確かなものとするため、引き続き、生産性革命、人づくり革命など、あらゆる政策を総動員し、名目GDP六百兆円経済の実現を目指してまいります。なお、中長期の経済財政に関する試算の経済再生ケースでは、安倍内閣の経済財政政策の効果が着実に発現し、日本経済がデフレ前のパフォーマンスを取り戻すという想定で試算しており、結論ありきで操作しているという御指摘は当たりません。
  • 日本銀行によるETFの買い入れは、物価安定目標を実現するための金融政策の一環として行われているものと。その上で、日本銀行は、資産価格の動向を含むさまざまなリスク要因も十分に点検し、経済、物価、金融情勢等を踏まえながら、適切に金融政策運営を行っていると理解している。金融政策の具体的な手法は日本銀行に委ねられるべきであると考えており、私は、黒田総裁の手腕を信頼しております。
  • 安倍内閣が進めている政策は、成長と分配の好循環をつくり上げていくというものです。成長し富を生み出し、それが国民に広く均てんされ、多くの人たちがその成長を享受できる社会を実現していきます。安倍内閣発足後の所得格差を示す指標の動きを見ると、所得再配分後のジニ係数は、近年の雇用・所得環境の改善や、社会保障、税による所得再分配が機能した結果、おおむね横ばいで推移しており、OECDの各国比較で見ても中位水準であると承知をしております。また、相対的貧困率は、これまで長期的に上昇傾向となっていましたが、政権交代後、雇用が大きく増加するなど経済が好転する中で、改善に転じ、特に子供の貧困率は大きく改善しました。自殺者数は、安倍政権発足後、減少傾向にあるものと承知をしております。
  • 格差是正の取り組みについては、医療、介護における低所得者の保険料負担の軽減や高額療養費制度の見直しなど、改革を進めてきております。た、税制についても、再分配機能の回復を図るため、所得税最高税率引き上げ等を講じ、随時実施しているところであります。
  • 幼児教育の無償化については、政府として、認可外保育施設を無償化の対象外とする方針を決めた事実は全くありません。
  • 本年6月に策定した子育て安心プランを前倒しし、2020年度までに32万人分の保育の受け皿整備を進め、待機児童の解消に最優先で取り組んでまいります。認可外保育施設の取り扱いを含め、現在、与党においても議論が行われていると承知しており、政府としては、与党の提言をいただいた上で、12月上旬に新しい経済政策パッケージを取りまとめてまいります。子育て安心プランの前倒しについても、パッケージにおいて明確に位置づけた上で、必要な財源を確保してまいります。
  • 本年6月に公表した子育て安心プランで示した約32万人分の受け皿は、25歳から44歳までの女性の就業率を2022年度末には80%まで上昇すると想定し、その就業率と相関して、保育の利用申し込み率も5割を超える水準まで伸びると想定して算出したものであります。この32万人分の考え方については、これまでも機会を捉えて説明しているところでありますが、引き続き丁寧に説明を行ってまいります。
  • 保育人材の処遇改善については、2017年度予算で全職員の処遇を2%改善し、政権交代後合計10%の改善を実現するとともに、技能、経験に応じた月額最大4万円の処遇改善を行ったところ。
  • 訪問介護の報酬については、自立支援、重度化防止、適切なサービス提供確保の観点から、2018年度介護報酬改定に向けて検討を進めているところです。
  • 認知症の方ができる限り住みなれた地域で暮らすことができる取り組みを進めていくことが必要です。このため、一昨年、我が国の認知症国家戦略として、新オレンジプランを策定しました。その中で、若年認知症の方が、さまざまな課題を抱えることから、施策強化を大きな柱として位置づけました。この新オレンジプランに基づき、相談窓口を設置し、医療、福祉、就労に関する相談や就労継続へ向けた企業との調整など、総合的な支援を行ってまいります。認知症の方の生活を支える上でICTの活用もその一つの手段になり得るものであり、認知症の人がそれぞれ自分らしい生活を営めるよう支援してまいります。
  • 東京オリンピックパラリンピック大会の農産物の調達基準においては、GAPの認証取得が要件となっています。現在のところ、必要な食材の量や品目が決まっていないため、正確な見通しをお示しすることはできませんが、GAPの認証取得の支援等により、国産農産物の供給を可能な限り進めていきたいと考えております。政府としては、GAPの直接支払制度ではなく、農業者の認証取得の支援等を通じて、今後ともGAPの取得を推進してまいります。
  • 我が国においては、主食用米の需要が年々減少している中で、食料自給率等の向上を図るため、主食用米から飼料用米などへの転換により、水田のフル活用を進めています。こうした中、水田活用の直接支払交付金において飼料用米などに対する支援を実施しているところですが、これについては、農業者による生産コストの低減等の取り組みを促しながら、引き続き、不断に施策の点検を行いつつ、必要な支援を行ってまいります。
  • 農協については、農業者が自主的に設立した民間組織であることを踏まえ、行政は、単位農協を安易に行政のツールとして使わないことを徹底する考えのもとに農協改革を進めているところです。
  • 2年前に決定した総合的なTPP関連政策大綱については、現在、大枠合意に達した日・EU・EPAを見据えた施策を新たに盛り込むための改定作業を進めております。その際、2年前にTPPの発効を見据えて盛り込んだ施策のうち、引き続き必要となる施策については、実績の検証を踏まえ、必要な見直しを行った上で実施することを検討中。これらの施策はいずれも、中堅・中小企業の海外展開や農林水産業の体質強化などに資するものであります。世界の自由貿易の推進に主導的な役割を果たしていく我が国として、経済連携協定の発効にかかわらず、経済再生、地方創生の観点から速やかに実施していく必要があります。TPP及び日・EU・EPAの影響は、協定自体の発効による効果だけでなく、当然これに対する対策の効果もあわせて考える必要があります。そのため、TPP協定等とその対策を盛り込んだ政策大綱は不可分一体であり、影響の試算については、今回の政策大綱の改定を踏まえた上で、国民の皆様にわかりやすく提示したいと考えております。
  • トランプ大統領との会談では、日米FTAに関するやりとりはありませんでした。トランプ大統領とは、日米経済関係をさらに強化するために、自動車、ライフサイエンスイノベーション等の分野での取り組みを確認したほか、法執行やエネルギー、インフラなどで協力も強化していくことで一致いたしました。さらに、二国間の貿易だけでなく、アジア太平洋地域に広がる貿易・投資における高い基準づくりを主導していくことで一致しました。
  • 習近平国家主席及び李克強首相とそれぞれ日中首脳会談を行い、戦略的互恵関係の考えのもと、大局的な観点から日中の友好協力関係を安定的に発展させていくことで一致しました。一帯一路構想については、インフラの開放性、透明性、経済性、対象国の財政の健全性といった国際社会の共通の考え方を十分に取り入れることで、地域と世界の平和と繁栄に前向きに貢献していくことを期待しており、政府としては、こうした観点から協力していきたいと考えています。
  • AIIBについては、公正なガバナンスを確立できるのか、借入国の債務の持続可能性や、環境、社会に対する影響への配慮が確保されているかについて、引き続き運用を注視していきたいと考えています。
  • 福島第二原発については、福島県の皆様の心情を察すると、これまでに新規制基準への適合性審査を申請している他の原発と同列に取り扱うことは難しいと認識しています。ただし、同原発の扱いについては、まずは東京電力が地元の皆様の声に真摯に向き合った上で判断を行うべきものと考えています。
  • 公文書管理については、紙文書、電子文書にかかわらず、行政文書の保存に関する基準の明確化等を内容とするガイドラインの改正を年内に行うこととしており、その後も、公文書管理の質を高めるための不断の取り組みを進めてまいります。
  • 国会の運営については、各党各会派について御議論いただき、国会においてお決めいただくものと考えております。
  • 今後の外国人材受け入れのあり方について申し上げれば、経済社会基盤の持続可能性を確保していくため、真に必要な分野に着目しつつ内容の具体化を検討していく考えであります。なお、安倍政権として、いわゆる移民政策をとる考えはありません。
  • 中小企業の経営者の高齢化が進む中で、早期の事業承継を促す観点から、税制や予算措置を含め、承継の準備段階から承継後まで総合的な支援が必要と考えております。今後、承継制度については、2009年度の創設以降、これまで累次の見直しを行ってまいりましたが、来年度の税制改正において、とりわけ御指摘の点については一般の納税者との公平性等といった観点も考慮しつつ、事業承継税制全般について拡充を検討してまいります。
  • 社会保険料の事業主負担は、年金や医療の給付を保障することで働く人が安心して就労できる基盤を整備することが、事業主の責任であるとともに、働く人の健康の保持及び労働生産性の増進を通じ事業主の利益にも資するという観点から、事業主に求められているものであります。社会保険料の事業主負担を長期にわたり公費で肩がわりすることは適当ではないと考えております。

第195回本会議第4回(2017/11/17)

安倍総理

  • 安定的な政治基盤の下で、政策をひたすらに実行せよ。これが、総選挙で示された国民の意思。
  • 我が国を取り巻く安全保障環境は、戦後、最も厳しい。国民の信任を背景に、積極的な外交政策を展開していく。北朝鮮による我が国を飛び越える相次ぐミサイルの発射、核実験の強行容認できない。
  • トランプ大統領による来日で日米同盟の絆を示した。
  • 北朝鮮の核、ミサイル問題、そして拉致問題を解決する。先日のAPEC、東アジア・サミットにおいても、各国首脳と北朝鮮問題に対する緊密な協力を確認。
  • 日中韓サミットを早期に開催し、三か国の連携を更に深める。
  • 北朝鮮の挑発がエスカレートする中で、日米同盟の下、ミサイル防衛体制をはじめとする我が国防衛力を強化。
  • 人工知能、ロボット、IoT。生産性を劇的に押し上げるイノベーションを実現。
  • この五年間、アベノミクス改革の矢で、雇用は185万人増加。この春、大学卒業者の就職率は過去最高。この二年間で正規雇用は79万人増え、正社員の有効求人倍率は、調査開始以来初めて一倍を超えた。
  • 大胆な税制、予算、規制改革で4年連続の賃金アップを目指し、デフレ脱却を図る。
  • 2020年度までに、3歳から5歳までの幼稚園や保育園の費用を無償化。0歳から2歳児も、所得の低い世帯では無償化。
  • 待機児童解消を目指す。本年6月に策定した子育て安心プランを前倒しし、2020年度までに32万人分の受け皿整備。
  • 貧しい家庭に育っても、真に必要な子どもたちに、高等教育を無償化。
  • リカレント教育を拡充。
  • 2020年代初頭までに50万人分の介護の受け皿を整備する。介護人材確保。他の産業との賃金格差をなくしていく。
  • 我が国の社会保障制度を、お年寄りも若者も安心できる全世代型へ。
  • 女性、お年寄り、若者、障害や難病のある方、誰もが生きがいを感じられる一億総活躍社会。
  • 消費税増税による財源を、子育て世代への投資と社会保障の安定化にバランス良く充当することで、財政健全化も確実に実現。
  • 今年9月、インドで、新幹線建設がスタート。
  • 200回を超えるトップセールスが実を結び、インフラ輸出額は、5年間で10兆円増加。我が国の高い技術やノウハウを世界に展開し、少子高齢化の中でも、大きく成長できる。
  • 11か国によるTPP協定の早期発効を目指す。あわせて、RCEPが野心的な協定となるようにする。
  • EUとの経済連携協定が、大枠合意。人口6億人、世界のGDPの3割を占めるEU経済圏。
  • 農林水産物の輸出は、5年連続で、過去最高を更新するペースで伸びている。40代以下の新規若手就農者は、調査開始以来初めて3年連続で2万人超。
  • 農政改革。年内に、生産性向上に向けた、林業改革、水産業改革のプランを取りまとめ。
  • 東北の被災地では、農地の八割以上が作付け可能となり、全ての漁港が復旧。原発事故被害を受けた福島では、帰還困難区域を除き、ほぼ全ての避難指示が解除されたことに続き、先月から中間貯蔵施設が稼働。除染土壌の搬入を進め、2020年には身近な場所から仮置き場をなくす。
  • 激甚災害の速やかな指定が可能となるよう、その運用を見直す。事前防災・減災対策に徹底して取り組み、国土強靱化を進める。

私の感想

しょぼい演説だなーというのが感想。
散漫で、どういうイメージの国家にしたいというのが見えてこない。
政策をただならべ、なんの意味もない見た目だけの文でつなげる。
しかも、矛盾してるとこあるし。
国内の需要喚起して、輸出に頼らない経済を!とかでは全然ないね。
外需頼み。
要約もうちょっと短くしたかったけど。

日米地位協定第17条と関連合意議事録って矛盾するんじゃないの

ちなみに、ツイート内の条文も、すべからく要約してあるので気をつけて。
正しい条文を知りたい場合は、質問主意書答弁書オリジナルを当たるか、法律名でぐぐってね。


これは、日米地位協定に規定されてる米軍の「施設及び区域」外の場合、日本当局が警察権を行使できて普通だよね?みたいな一般認識を問うているだけで、「施設及び区域」外だからといって、日本が警察権を行使できるという法律があるわけではないくさい。
紛らわしい。



刑特法とは、日米地位協定に基づく条約国内法として、アメリカ合衆国軍隊に関する刑事手続きについて定めた法律。




日米地位協定第17条10(b)では、「米軍の施設及び区域外における警察権は、米軍の規律・秩序維持のため」って書いてあるのに、地位協定17条関連合意議事録では、「日本国当局は、所在地に限らず、合衆国軍隊の財産に対する警察権を行使しない。合衆国軍隊の当局の権限ある者の同意があればこれに限らない」なんてことが書いてある。
これは矛盾ではないんだろうか。。
つまり2つをまとめると、基本的には米軍の財産に対する警察権の行使は米軍しかできないけれども、米軍の同意があれば、日本が行使できる。
ただし、米軍は施設及び区域外における警察権の行使は極力控えて(米軍の規律・秩序の維持に必要な場合にのみ行使するようにする)、日本側に警察権が行使できるよう配慮せよ、ってこと?
無理があるよね。。




参考:
日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の実施に伴う刑事特別法 - Wikipedia
日米合同委員会の刑事裁判管轄権に関する合意事項20

今さらテロ等準備罪について知る


組織的犯罪処罰法」の一部を改める法案を「テロ等準備罪」と呼んでいて、「共謀罪(法案)」というのは小泉政権時代に提出され、廃案となったものを呼ぶらしい。
左翼なんかは、「テロ等準備罪」を「共謀罪」って呼んでた気がする。

構成条件厳格化とは、法が適用される条件をより具体的に指定することだと思われる。
テロ等準備罪は、主に、国際組織犯罪防止条約TOC条約)を締結するのに必須で、実務的に意味なくても必要、というのが政府や法務省の見解だと思われるが、上記質問主意書への答弁が待たれる。

参考:
テロ等準備罪とは (テロトウジュンビザイとは) [単語記事] - ニコニコ大百科
法務省:テロ等準備罪について
「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織的犯罪処罰法改正案とは - コトバンク

衆院での内閣総理大臣指名選挙(2017/11/1)

以下、衆院での内閣総理大臣指名選挙。

投票総数:四百六十五
過半数:二百三十三

〔事務総長報告〕
安倍 晋三君:三百十二
枝野 幸男君:六十
渡辺  周君:五十一
大塚 耕平君:十六
志位 和夫君:十二
片山虎之助君:十一
前原 誠司君:一
鷲尾英一郎君:一
ほかに無効:一

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